2007 Fiscal Year Annual Research Report
クラスまたは集団特性により現れる,動的学校画の描画特徴の検討
Project/Area Number |
18730441
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
田中 志帆 Aoyama Gakuin Women's Junior College, 一般教育科目, 准教授 (30325980)
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Keywords | 教育系心理学 / 学校臨床 / 動的学校画 / アセスメント |
Research Abstract |
<研究1>適応指導教室に通級している子どもの動的学校画の描画特徴について 調査内容:昨年度に引き続き,G県F市の適応指導教室に通級している児童生徒を対象に,動的学校画を実施し,その後簡単なインタビュー調査を行った。 * 調査期間:2007年10月 *調査対象者:適応指導教室に通級している児童・生徒8名について動的学校画を実施した。そのうち4名は今新しく通を始めた子どもである。 *結果:本年の心理臨床学会で発表する予定であるが,適応指導教室に通級している児童・生徒は通常学級の児童・生徒よりも,動的学校画の自己像の顔は正面向きであるのに目を省略したり描かずにいる傾向が示された。 <研究2>日本語教室に通う外国人子女の動的学校画の描画傾向について *調査内容:G県I市の小学校2校に在籍している児童生徒に,個別で動的学校画を実施した。日本語の理解が難しい児童のため,教示,手続き説明と,インタビューのためにポルトガル語の通訳の協力を仰いだ。なお2008年度も,別の小学校での調査を既に予定している。 *調査期間:2007年11月〜2008年2月 *調査対象者:A小学校で17名,B小学校で17名の合計24名の日本語学校に通給している児童生徒。2008年度も,30人以上のサンプル数が得られるように,別の学校で調査を行う予定である。 *結果:経済的な問題を抱え,両親が普段から不在である家庭が多いため,親とのスキンシップが無いことを暗に象徴する描画をした子どもがいると同時に,不登校傾向を示す描画,日本文化との相互交流を求めて国旗を描いた児童生徒が見られた。転校を繰り返し経験したため,現所属小学校ではなく,以前在籍していた小学校を描いた子どももいた。また,先生像を強調して描いた子どもが多く,コミュニケーション上,日本語学級の児童は,クラスの仲間よりも担任や日本語教室の担当教員への依存度がかなり高いことが推測された。
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