2008 Fiscal Year Annual Research Report
クラスまたは集団特性により現れる,動的学校画の描画特徴の検討
Project/Area Number |
18730441
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
田中 志帆 Aoyama Gakuin Women's Junior College, 一般教育科目, 准教授 (30325980)
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Keywords | 臨床心理学 / 小学生児童 / 動的学校画 / アセスメント / 外国人子女 / 学校臨床 |
Research Abstract |
研究1 学級の荒れを経験している児童生徒の動的学校画(KSD)と統合型HTPとの併用の検討 *調査期間 : 2008年3月〜4月 *調査対象 : 学級が荒れた状態になり今現在は落ち着いている都内小学校2クラスの児童計69名。 *調査内容 : 特に荒れの傾向が強かった1クラスにはKSDのみ,もう1クラスにはKSDと統合型HTPもあわせて実施した。担任からアセスメントの依頼があった児童生徒については,結果をフィードバックした。 *結果 : 例えば児童擁護施設で生活している児童は,逆さまにぶら下がって微笑む自己像にボールが投げつけられる絵を描き,過去に児童が体験したことが表現されていた。だがKSDでは必須アイテムの天物像を全て描いていても,統合型HTPでは木の切り株に座っている人物一人だけを描く児童もおり,統合型HYPの方がより鮮明に描画者の内的な対象関係を表現し得る可能性が考えられた。 研究2 (昨年からの継続)日語に通級している外国人児童の動的学校画の検討 *調査期間 : 2008年10月〜2009年1月 *調査対象 : 関東地方の小学校で日本語学級に通級している児童,計38名 *調査内容 : 動的学校画。また性別,学年,来日してからの年数,母国,何を描いたかを問うアンケートをインタビュー形式で行った。 *結果 : 本研究での被調査者28名と昨年度調査した児童の男子35名, 女子36名について. 日本人児童の描画との比較検討を行った。人物画より算出した精神年齢には差は無かったが, 外国人児童は眼を描く率が高く, 環境への関心が非常に高いことが推測された。しかし外壁や教室内の備品消耗品を描くなど構造の強調が多く出現し, 社会的な相互作用を回避している可能性が推測された。友達の顔を意図的に省略するもの, 担任教員や日本語教員を窓枠で意図的に包囲する描画が頻出した。日本人児童よりも担任や日本語教員を特別視していることが考えられた。この研究成果は2009年の学会で発表予定である。
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