2006 Fiscal Year Annual Research Report
事前情報共有を必要としないキャンセラブルバイオメトリクス技術の開発
Project/Area Number |
18760265
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 裕之 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (20397053)
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Keywords | 暗号、認証等 / バイオメトリクス / パターンマッチング |
Research Abstract |
本研究では、現在の生体認証における大きな課題の一つである、登録生体情報の取り消し・変更を可能とする生体認証技術(キャンセラブルバイオメトリクス)を研究対象とし、事前に秘密情報等の共有を必要としないキャンセラブルバイオメトリクス技術の開発を目的として以下の通り研究を行った。 1.キャンセラブル認証手法の開発 (1)POCに基づくキャンセラブル生体認証手法の確立 本研究では位相限定相関(POC)を利用したキャンセラブル生体認証手法を提案した。具体的には、生体情報画像とキー画像(パスワード等の秘密情報を画像化したもの)とのPOCを登録情報(テンプレート)とし、照合時には同様に生成したPOCとテンプレートとのPOCを演算することで本人かどうかを識別する。この手法では、テンプレートから生体情報を推測することは困難であり、またキー画像を変えることでテンプレートを何回でも変更することが可能である。 (2)指紋の適用 (1)で提案した手法に対して指紋画像を適用する方法について検討し、指紋の特徴的な周波数成分を抽出する手法等を開発した。 (3)オンライン認証への拡張 (1)で提案した手法をオンラインでの本人認証を行う手法へ拡張させ、生体認証を鍵としてチャレンジ&レスポンス型認証を行う手法を開発した。 2.計算機実験による性能評価 (1)指紋画像を用いた計算機実験 数名の被験者から実際の指紋画像を取得し、提案手法(キャンセラブル生体認証、チャレンジ&レスポンス型)の有効性を計算機実験によって確認した。その結果、それぞれの手法において十分な照合精度を有することを確認し、またチャレンジ&レスポンス型認証においては、侵入実験を行うことによって安全性に問題ないことを確認した。
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