Research Abstract |
まず,映像の中の建築と都市の研究の最初の段階として,世界各地の都市を舞台にした映画作品を研究対象として,10秒間隔の映像をコンピュータに画像データとして記録した。その上で,<視深度>の浅いものを白,深いものを黒として,各画面における<視深度>を連続的な濃淡により画面上に記述し,また,<視深度>に関する数学的な指標を用いて,各画面の奥行きを分析した。得られた分析結果をもとに,特徴的な<画面空間>の奥行きの構成を類型化して,それぞれの<画面空間>の奥行きの特徴を考察し,各映画作品における空間構成について考察した。また,同時に,奥行きを測定する際の視対象となる設えに着目し,映像空間に映し出されている人々の生活との関係を読み取り,統計的に分析していくことで,設えと人々の感情との関係について論考した。更に,映像空間そのものの空間構成を分析する最初の段階として,思想が映像空間に表れているであろうプロパガンダ映画を対象として,社会的背景を通して論考した。 それらの成果の一部は,平成18年9月に神奈川県横浜市にて開催された平成18年度日本建築学会大会での梗概集発表及び口頭発表,平成18年10月に韓国の大邸市にて開催されたthe 6th International Symposium on Architectural Interchanges in Asiain Daegu, Korea,2006での論文集発表及び口頭発表,平成19年2月に愛知県長久手町にて開催された平成19年日本建築学会東海支部研究発表会にて梗概集発表及び口頭発表を行った。
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