2008 Fiscal Year Annual Research Report
経口免疫寛容誘導を介した食物アレルギー抑制機能を有する食品開発のための基盤解析
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18780092
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
渡辺 純 National Agricultural Research Organization, 食品総合研究所・食品機能研究領域, 主任研究員 (10374729)
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Keywords | 腸内細菌 / アレルギー / 難消化性オリゴ糖 / エピラクトース / プレバイオティクス / cellobiose 2-epimerase |
Research Abstract |
1.オリゴ糖によるアレルギー抑制作用の発現機構として、腸内細菌の改変を介する経路ばかりでなく、α-ガラクトオリゴ糖が直接免疫系に作用する経路が存在することを、マウスモデルを用いて明らかにした。 2.Ruminococcus albus NE-1が生産するcellobiose 2-epimeraseにより、ラクトースからエピラクトース(ガラクトシルマンノース)が生成することを明らかにしている。エピラクトースは新たなプレバイオティクスとなり得るとともに、ミネラル吸収促進作用および脂質代謝改善作用を有することをラットモデルを用いて明らかにした。さらに、Ruminococcus albus NE-1以外の生産菌に単離・同定、メタゲノムからのcellobiose 2-epimerase様遺伝子の取得も行い、複数の性質の異なる酵素を取得した。チーズホエイの主要な糖質であり有効には利用されていないラクトースが、機能性を有するエピラクトースに変換可能であり、乳の高付加価値化につながるものと考えられる。
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