2006 Fiscal Year Annual Research Report
Purα-mRNAに含まれる新規RNA結合タンパクの構造と機能
Project/Area Number |
18790069
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大橋 祥世 日本大学, 薬学部, 助手 (00385981)
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Keywords | 神経細胞 / mRNA輸送 / RNA結合タンパク |
Research Abstract |
Purα-mRNPに含まれる新規タンパクC9orf10の構造と機能について解析するため、まずマウス脳における発現を免疫組織染色により解析した。その結果、海馬(錐体細胞層、網状分子層に限局)、大脳皮質のII〜IV層の特定の神経細胞や小脳プルキンエ細胞の細胞質に発現していた。脳の他の領域ではほとんど検出されなかった。また、脳の成長過程における発現パターンをWestern blot法により調べた結果、誕生直後から増加し、生後15日目からは大きな変化は見られなかった。また、細胞分画を行ったところ、大きな膜構造体やポリソームが含まれるP100画分に最も濃縮された。そこで、C9orf10がどのような構造体に結合しているかをsucrose gradientにより解析したところ、ポリソームの遠心パターンと同様の挙動を示した。また、EDTAでポリソームをリボソームサブユニットに解離させると、C9orf10はリボソームサブユニットの位置にシフトした。このことから、C9orf10のポリソーム結合性が示唆されたので、このタンパクがmRNAを介してポリソームに結合しているかDOCを用いて解析した結果、C9orf10Oはポリソームから解離した。(ポリソームをDOCで処理すると、ポリソームに結合しているmRNA結合タンパクは解離する。)更に、C9orf10の特異抗体を用いてP100画分を免疫沈澱し、得られたRNAをNorthern blot法により解析した結果、リボソームならびにpoly(A)mRNAが免疫沈澱した。また、免疫沈澱時にEDTAを共存させると、poly(A)mRNAだけが免疫沈澱した。そこで、Oligo(dT)カラムによりpoly(A)mRNAを精製したところ、その中にC9orf10が検出された。
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