2006 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患の新規マウスモデル開発と原因遺伝子解明
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18790554
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
西村 靖子 久留米大学, 医学部, 助手 (90289398)
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Keywords | サイトカイン / 肺障害 / 酸化還元 |
Research Abstract |
外因性rhTRXとTRXトランスジェニック(Tg)マウスを用いて、豚膵臓エラスターゼ(PPE)誘導性の気腫性変化と肺炎症が抑制できるか評価した。ヒトelongation factorプロモーターを用いてヒトTRX1が肺に強発現するTRX1 TGマウスを樹立した。7〜10週齢のマウス(n=5/群)を7群に分けた。Group 1はday0にSaline(50μL)のマイクロスプレーによる気管内投与群。Group 2、3は各々day0にPPE(Sigma製、0.25U)投与後、PBS(100μl)又はrhTRX1(40μg)を隔日腹腔内投与群。Group 4はTRX1-Tgマウスを使用してday0にPPEのマイクロスプレーによる気管内投与群。次に、一旦発症した気腫性変化に対して外因性TRX1の後投与が気腫性変化の進行を抑制できるかに関しても評価した。Group Aはday0にSaline(50μL)のマイクロスプレーによる気管内投与群。Group B, Cは各々day0にPPE投与後、PBS又はrhTRX1をday14からday21まで隔日腹腔内投与群。Group Cにおいて、rhTRX1投与はGroup Bに比べ有意に進展する気腫性変化、肺胞上皮細胞のアポトーシスの増加と静的コンプライアンスの上昇を抑制した。我々の結果は1.外因性TRX1投与はPPE誘導性マウスで気腫化の進展、アポトーシスを抑制した。2.内因性TRX1の強発現はPPE誘導性TRX1-TGマウスで肺の気腫化の進展を抑制した。3.外因性TRX1投与はPPE誘導性マウスの発症した気腫化の進展を遅らせた。TRXを含むレドックス蛋白がCOPDの新規治療薬としての可能性を示唆した。
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