2007 Fiscal Year Annual Research Report
選択的波長を利用した光線療法の開発とその作用機序の解析
Project/Area Number |
18790798
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
苅谷 清徳 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 講師 (40295605)
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Keywords | UVA1 / アポトーシス / アトピー性皮膚炎 / Narrow-band UVB |
Research Abstract |
新たな紫外線療法として,340-400nmの波長を用いるUVA-1療法が開発された。ソラレンを用いないため,高出力のメチルハロゲンランプが光源として用いられる.名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学では,これまで約10年にわたり,UVA1領域め研究をすすめてきた。アトピー性皮膚炎においてUVA-1照射が真皮に浸潤したCD4陽性T細胞にアポトーシスを起こすことにより,浸潤T細胞が消失し治癒することを明らかにした。このアポトーシスの機序明らかにするため,皮疹からCD4陽性T細胞をクローン化し.in vitroでUVA-1照射したところ,同様にアポトーシスが起こり,それはFAS-FASLの系,一重項酸素産生を介すことを明らかとなり,一方,UVA-1では線維芽細胞,角化細胞ともT細胞に比ベアポトーシスは起こり難いことが明らかとなり,むしろ角化細胞ではsFASLが産生され,それによってT細胞がアポトーシスを起こすこと,paracrineの機序が示唆された。活性化もしくは悪性化したT細胞は,正常(活性化していない)T細胞に比べると感受性が高いことも明らかとなり,皮膚T細胞リンパ腫,アトピー性皮膚炎のなどのT細胞が病因と考えられる皮膚疾患に対してUVA-1が有効であることが作用機序から明らかとなった。 340-400nmのすべての波長が,これらのアポトーシスの誘導や治療に必要か明らかではない。ナローバンドUVBと同様に,UVA領域でも,治療上有益な波長を探すことは可能か,モノクロメーターを用いて,波長ごとのアポトーシス誘導に関して今回研究を進めた。まだ,現在追試中であるが,UVA領域での波長ことのアポトーシス誘導に対して,抗酸化剤・OGG1リポゾームの添加,D20存在下での照射を行い,各波長におけるアポトーシス誘導のメカニズムの解析を行った。
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