2006 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌の浸潤、増殖におけるHMGB1およびRAGEの関与についての検討
Project/Area Number |
18791126
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
櫛田 信博 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (30381396)
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Keywords | 腎癌 / HMGB1 / RAGE / MAPK |
Research Abstract |
今年度は主に腎癌細胞株を使用し、HMGB1が腎癌の増殖に関与するかどうかについて検討した。 (1)腎細胞癌株であるACHNおよび786O、CAKI-I、CAKI-II細胞を培養し、RT-PCR法にてHMGB1とそのreceptorであるRAGEのmRNAの発現を調べた。またWestern blotting法にてHMGB1、RAGEタンパクの発現について確認した。腎癌細胞株ではmRNAおよび蛋白レベルでHMGB1およびRAEが発現していることが確認された。 (2)Recombinant HMGB1蛋白を上記培養細胞の培地に加えることにより、腎癌培養細胞株の増殖が生じるかを調べた。これらの細胞株の中で、7860細胞において増殖のシグナル伝達系であるMAPKの3系統(ERK、JNK、P38)の蛋白のリン酸化が、HMGB1投与後10分で増強されることが確認された。このことから、HMGB1は腎癌細胞株の増殖を惹起させる可能性があることが示唆された。現在この786O細胞を使用してBrdU取り込みassayおよびMTT assayをおこない、HMGB1の癌細胞株に対する増殖への関与について検討中である。また今後、BDバイオコートマトリゲルインベージョンチャンバーを使用して浸潤能の亢進に寄与するかどうかについても検討する予定である。 (3)ACHN細胞において、HMGB1を投与すると培養上清中のIL-6の濃度が上昇することがELISA法により確認された。腎癌細胞株におけるHMGB1とインターロイキン産生能の関係についても検討をおこなっている。
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