2006 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症の発生・進展におけるセロトニン2型(5-HT2)受容体の役割
Project/Area Number |
18791156
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鎌田 泰彦 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70346427)
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Keywords | セロトニン(5-HT) / 子宮内膜症 / 子宮腺筋症 / 5-HT_<2A> |
Research Abstract |
子宮内膜症・子宮腺筋症患者より同意の上で,正所性・異所性子宮内膜および血液等の検体を採取.また生殖年齢の子宮頚部上皮内癌患者や子宮筋腫患者より摘出した子宮から,同意の上で子宮内膜を採取し,正常子宮内膜として実験に供した.さらに採取したヒト子宮内膜から腺上皮および間質細胞をそれぞれ分離した上で,5-HT2受容体の発現部位を,免疫組織化学染色,Western blotting, RT-PCR法を用いて検討した. 5-HT2受容体のうち,2A受容体は主に子宮内膜に,2B受容体は子宮筋層内に,2C受容体は子宮内膜に存在することが,RT-PCR法にて明らかとなった. そこで5-HT2A受容体の発現につき詳細に検討したところ,免疫組織化学染色にて,2A受容体は主に正常子宮内膜腺上皮の細胞質と,子宮筋層内の血管平滑筋に発現していた.またその発現は,血管においては恒常的であったが,子宮内膜では増殖期に強く,分泌期に減弱する周期性を認めた.さらに子宮腺筋症の正所性子宮内膜では正常子宮内膜と同様の周期的な2A受容体の発現を認めたが,異所性子宮内膜の腺上皮細胞では,月経周期と無関係な恒常的な発現を示した.RT-PCRでは,少なくとも内膜腺上皮に5-HT2A受容体mRNAの存在を認めた.なお本実験内容に着いては,第28回エンドメトリオーシス研究会(和歌山市)で発表した. また高分化型子宮内膜癌細胞株であるIshikawa株もしくは分離したヒト子宮内膜腺上皮を用いて,子宮内膜間質細胞との共培養系を再構築した.そして培地中にestrogenもしくはprogesteroneを添加することによる5-HT2A受容体の発現様式の変化を,免疫組織化学染色,RT-PCR, Western blottingを用いて現在検討中である.
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