2006 Fiscal Year Annual Research Report
島嶼環境におけるラピタ人の拡散・適応戦略を探る考古学的研究
Project/Area Number |
18820058
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
石村 智 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 企画調整部, 研究員 (60435906)
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Keywords | ラピタ人 / 適応 / 考古学 / 人類学 / ポリネシア / メラネシア / ミクロネシア / オセアニア |
Research Abstract |
今年度は、フィジーにおけるラピタ遺跡の調査を当初は企図していたが、当該国で12月に政変(クーデター)が発生し、カウンターパートであるサウスパシフィック大学・フィジー博物館とも協議の結果、現地調査をしばらく順延せざるを得なくなった。そこで、今年度はこれまでの調査結果を取りまとめ、公表にむけての準備に専心することとした。具体的には、フィジー・ボウレワ遺跡出土のラピタ土器の図化およびインベントリーの作成であり、ほぼ80パーセントの段階まで達成することができた。また同時に、今後の調査に向けての準備を万全におこなっている。 11月にはアメリカン・サモアで開催された国際学会「Archaeology of Polynesian Homeland」に参加し、これまでの成果を公表し、貢献を果たした。 今年度発表された論文は4本で、いずれもこれまでの現地調査の成果を公表するものである。またすでに印刷中のものも2本(いずれも英文誌)あり、成果公開も順調に進んでおり、本研究のプレゼンスを高めている。 海外出張は、上記の国際学会(アメリカン・サモア)に加え、仏領ポリネシアおよびチリ・イースター島において10日間ほどの現地調査をおこなった。ここでは、遺跡立地および周辺環境の地理的情報を収集し、さらに、石造建造物の比較調査をおこなった。これらは、人類の当初環境への適応過程を探る上でのモデル作成に必要なデータである。
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