2006 Fiscal Year Annual Research Report
国際リニアコライダーでの実験のための革新的測定器システムの開発研究
Project/Area Number |
18GS0202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 均 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (00333782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (60272465)
杉本 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70196757)
杉山 晃 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80187674)
竹下 徹 信州大学, 理学部, 教授 (70154995)
宮本 彰也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50174206)
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Keywords | 素粒子実験 / 先端機能デバイス / ASIC / シリコン検出器 |
Research Abstract |
測定器最適化に関しては、本研究費で採用した東京大学の任期付助手を中心としてクォークの再構成のシミュレーションによる研究を行い、目的のエネルギー分解能を達成した。反応点測定器では、ILCバーテックス検出器に用いるための全空乏型高精細画素CCDの開発の第一段階として、標準的な画素サイズの全空乏型CCDの信号電荷の広がり等の特性の研究、高精細画素CCDをILCのバーテックス検出器として用いた場合に期待される性能のシミュレーションによる研究、およびCCDを薄くした場合の力学的強度の研究を行った。浜松ホトニクス(株)によるCCDシリコン検出器の試作は予定より半年遅れではあるが完成し試作品が3月末に我々に届けられた。その間、シリコン検出器の試験のための読み出し回路チップの設計をおこない、製作をおこない、その集積回路のレイアウトをシリコンソーシアムに外注し、読み出し回路チップの製作を米国のMOSISに依頼した。回路は昨年秋に届けられ、現在その基本的機能が確認された。CCD検出器の本格的試験の準備が整った段階であり、当初の目的は十分に達成した。飛跡検出器では、国際TPC研究グループとして、LC実験に向けたTPCの開発にたずさわってきた。特に昨年度は、プロトタイプ製作に向けたGEM検出器モジュールの開発研究として、作業モデルとして試験的に検出器を製作し、その実現性を示した。また、回避すべき重要な問題である、イオン遮断用ゲート機構開発に向けたシミュレーション研究を進め、その可能性についての具体的な検討を進めてきた。カロリメータに関しては、主として測定器部品の研究開発を行った。シンチレータについてはモールドシンチレーターから切り出し、機械加工する方法を確立した。光センサーMPPCの一応の性能を有する光半導体を開発し、1000個のサンプルを製造し性能を確認した。少量の部品から小型測定器へのくみ上げを行いとテストを実行した。また、GRIDの原理実証のためのシステムを高エネルギー加速器研究機構と東北大学に設置し実際にGRIDとして実用化出来る直前の段階にまで至った。
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