2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際リニアコライダーでの実験のための革新的測定器システムの開発研究
Project/Area Number |
18GS0202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 均 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (00333782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 准教授 (60272465)
杉本 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (70196757)
杉山 晃 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (80187674)
竹下 徹 信州大学, 理学部, 教授 (70154995)
宮本 彰也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (50174206)
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Keywords | 素粒子実験 / 先端機能デバイス / ネットワーク / 計算物理 |
Research Abstract |
2009年夏、SiD測定器と我々が推進するILD測定器が国際測定器諮問委員会(IDAG)によって承認された。その後、測定器要素の研究開発を実用化に向けて進めるとともに現実的なシミュレーションを用いた測定器設計を進めた。 (1)測定器最適化(OPT)と物理解析に関しては、国際リニアコライダーのコストパーフォーマンスの最適化が行われた。加速器設計グループからバンチ数を半分に減らし、陽電子生成をライナックの最終点近くに持ってくる事が提案されたが、物理と測定器のグループによって、250GeV付近での国際リニアコライダーの性能が大きく損なわれる事がはっきりと示され、その提案は再考されることとなった。我々はこの活動において中心的な役割を果たした。(2)反応点測定器(VTX)は、超高精細を目指して、12マイクロン角から6マイクロン角までの様々なピクセルサイズのセンサーを試作し、8マイクロン角まで機能することが実証されたが、6マイクロン角には問題があった。次には問題を解析し解決した上で、6マイクロン角の実証を目指す。読み出しVLSIチップは、センサーに取り付けてテストがなされ、1ビット読み出しではあるがセンサーを読み出せる事が示された。(3)飛跡検出器(TPC)は、大型TPCプロトタイプ(LP1)のDESYに於けるビーム試験の解析が行われ、小型プロトタイブと同程度の位置分解能が確認された。ゲートGEM付きの大型プロトタイプのビームテストが行われたが、リークにより高電圧がかからず、テストは問題の解決のあと今年再びなされる予定である。(4)カロリメータ(CAL)に関しては、2008年度の電磁カロリメータのビームテストの解析を継続するとともに、米国フェルミ国立研究所においてビームテストを行った。二つのビームテストの結果は合わせて解析され、線形性、エネルギー分解能がほぼ計画通りに達成された。
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