2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18GS0210
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
齊藤 直人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 教授 (20321763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹谷 篤 理化学研究所, 延與放射線研究室, 先任研究員 (30222095)
村上 哲也 京都大学, 理学研究科, 助手 (50219896)
村田 次郎 立教大学, 理学部, 助教授 (50360649)
栗田 和好 立教大学, 理学部, 助教授 (90234559)
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Keywords | 核子構造 / スピン / 対称性 / 弱い相互作用 / 素粒子標準模型 / クォークの閉じ込め / 量子色力学 / 海クォーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、米国のブルックヘブン国立研究所における、相対論的重イオン衝突型加速器RHICにおいて偏極陽子を重心系エネルギー500GeVという世界最高のエネルギーでの衝突を実現することで、核子のスピン構造の知見を圧倒的に改善することにある。このエネルギーでは、ウィークボゾン、W±の生成が高頻度で期待されるが、その同定を高エネルギーミューオンの検出により行う。このために、現存のデータ収集系のトリガーを改善する。ミューオン飛跡検出器のヒットをオンラインで取り出し、高運動量の飛跡、つまり、ほとんど曲がらない飛跡を見つけてデータ収集をおこなう。オンラインでヒットを取り出すにあたって、早い読みだし系、そしてそのデータの高速転送技術を開発した。 このプロトタイプを完成し、東北大学原子核理学研究施設の電子ビームを用いて、その性能評価を行った。プロトタイプには、ヒットを取り出す早い読みだし系のパラメータ(読み込む電荷量を決める電気容量値および弁別回路におけるパラメータ)を変えた4種類の回路を一枚の電子回路基板に実装し、全体のパフォーマンスを調べながら、上記パラメータの最適解をさぐった。その結果、1)十分に早い応答を実現するパラメータを特定し、2)その場合の検出効率を決定し、3)飛跡検出器系の位置分解能を特定した。 またこのデータの転送系として、高精度のクロックで走るシリアル変換器を用いて、毎秒1ギガビットのデータ転送回路を設計、動作を確認した。 並行して、最終的にこれらの回路を設置するPHENIX検出器における設置位置を確認して、その設置ジグの設計、水冷機能をもつシャーシの開発、低電圧の供給機構を検討した。 以上の開発に加えて、最終物理解析アルゴリズムの開発も行った。次年度に控える大量生産に向けて準備をほぼ完了した。
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Research Products
(6 results)