2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
New Developments in the investigation of the Nucleon SpinStructure with Spin Polarized Proton Collisions
Project/Area Number |
18GS0210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Creative Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
SAITO Naohito High Energy Accelerator Research Organization, 大強度陽子加速器計画推進部, 教授 (20321763)
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Project Period (FY) |
2006 – 2010
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Keywords | スピン / 核子構造 / クォーク |
Research Abstract |
核子のスピンはクォークのスピンで説明できると考えられていたが、実際には約20%程度しか説明できない。とりわけ不思議なのは、核子の量子数には寄与しないはずの海クォークが核子とは反対向きに偏極しているように見えることである。 一方で、電磁相互作用をプローブにする従来のスピン構造研究ではクォークと反クォークを分離できないため、分離可能なWボゾンによる研究が待ち望まれていた。 そこで本研究では、海クォークが親の核子に対してどちら向きに偏極しているのかを、Wボゾンの生成を通して直接測定する。核子の量子数には寄与していないはずの反クォークが間接測定から示唆されるように本当に核子と反対向きにスピン偏極しているのか?この基本的な問に直接測定をもって解答をあたえるのが本研究の目的である。 陽子-陽子衝突におけるW生成では、その生成に関与するクォーク・反クォークのスピンの向きが決まっていて、フレーバーもほぼ固定しているので、核子のスピンフレーバー構造を調べる上で最適のプローブであると言える。 一方、我々は米国ブルックヘブン国立研究所のRHIC加速器にスピン偏極をコントロールする機器を整備して世界で唯一の偏極陽子衝突型加速器を実現して来た。ここで、最高エネルギーの重心系500GeVでの衝突を実現することにより、Wの生成が可能になる。W生成反応は高運動量のミューオン生成により同定されるが、我々の検出器PHENIXには10 MHzで起こる雑多な事象の中からそのような事象を選び出してデータ収集する機能がなかった。そこで本研究では、ミューオン飛跡検出器の情報をオンラインで取り出し、高運動量ミューオン、つまり磁場中で殆ど曲がらない飛跡を探し出す機能を導入してWの検出を可能にするものである。
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Research Products
(6 results)