2018 Fiscal Year Annual Research Report
Grammatology of Literature and Law: Japanese Language Literary Genres, Japanese Law & Their Cross-border Receptions
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18H00659
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
SEN RAJLAKHI (センラージ・ラキ) 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (20795611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マクナイト アン 白百合女子大学, 文学部, 准教授 (20759154)
棚村 政行 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (40171821)
加藤 百合 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (50326815)
逆井 聡人 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (50792404)
金 ヨンロン 早稲田大学, 文学学術院, 客員次席研究員 (60806595) [Withdrawn]
本澤 巳代子 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (70200342)
佐伯 順子 同志社大学, 社会学部, 教授 (70215573)
姚 紅 白百合女子大学, 言語・文学研究センター, 研究員 (90727140)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本語文学 / 法・制度 / 境界横断 / 植民地支配 / 比較文学 / ポストコロニアル / 国際研究者交流 / 多国籍 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、7月6日と8月3日の二回にわたり、法学者を中心に科研研究集会とこれからの学際研究をめぐる諸問題についてのブレーンストーミングを行った。その結果、日本語文学テクストと日本の法・制度に関する国内の基礎的な文献を収集し、アメリカ、台湾、中国語圏などで調査を行い、テクストや資料(法関係を含め)の海外での展開に関する資料や情報を整理した。研究代表として、3月4日に台湾にてワークショップを開催し、中国文化大学の研究協力者の黄馨儀及び台湾政治大学の呉佩珍を含めて研究発表を開催した。 個別実績 研究者代表:台湾で日本語テクスト及び法に関する資料調査。27th Annual Meeting of the Association of Japanese Literary Studies (アメリカ)とPula University &University of Tsukuba Forum (クロワチア)での文学と法について発表。分担者:本澤 ドイツにおける明治民法・現行民法に関するドイツ人のドイツ語論文調査及び国際論文執筆。棚村 法務省主催の「養子縁組制度研究会」の開催に伴い、特別養子制度をめぐる法改正のための論点の整理及び「家事事件における法律と制度」に関する論文を執筆。佐伯 映画テクストにおける家族法の変遷についての調査及び発表。加藤 明治期テクストと法律と翻案に関する資料調査及び論文執筆。逆井 米軍占領期の日本で占領軍の一員として過ごした兵士らの日記や写真集が、法制度とその表象(文学や映画など)を媒介する資料群で保管されていることを確認。マクナイト 文化映画と法律についての資料を収集し、学会発表で法と文学の根本的な問題についての討議を行う。姚 中国語圏での日本の法学者に関する調査を進め、論文を執筆。 金 文学テクストにおける法と文法について調査及び論文執筆。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初の年度として、学際的な方法論などについて、法学者と文学との交流が始まり、勢力的に情報や意見交換ができた。その結果、文学と法律の密接な関わり、表象や方法論についての考察の基礎ができ上がった。特に法律専門家の棚村・本澤と、文学を専門とする(研究分担者)セン・アン・逆井・佐伯・加藤・金・姚との互いの連携、度重なる意見交換により、学際的な研究を可能にした。それに加えて、研究代表者、研究分担者、海外研究協力者それぞれが、担当した地域(英語圏、東アジア、ドイツ)などで調査を行うことができ、研究成果が多数発表されている。佐伯とセンは、日本語テクストにおける家族法にかかるジェンダー、そして文学と法律の根本的な問題は文学に表象されていることを明らかにしている。センは中国語圏で植民地時代に執筆された資料と日本の法制度に関わる資料調査を可能にし、中国語圏の知識人層に日本の法律の影響があったことを確認することができた。金・逆井・アンは戦前から占領期の治安維持法・検閲問題についての成果を共有した。姚は日本の法律家松岡参太郎が台湾を訪れた際の植民地支配への眼差しが確認でき、松岡参太郎が実際に現地の人々の家族法や習慣などを観察し、そこからインスピレーションを受け日本の法律の改正を望んだことがわかった。そして、海外研究協力者である映像研究専門家の黄馨儀と、日本語文学及び植民地文学を専門とする台湾政治大学の呉佩珍を中心に国際共同研究を行い、その研究成果を共有した。 本研究は学際的な研究方法に基づき、専門領域を横断しながら他分野の専門家との対話を注視し、それに合わせて資料調査等による研究成果をあげ、学際的な研究基盤を徐々に構築してきていることから、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度使用額の使用計画: 科研代表者センと分担者、海外研究協力者による「International Comparative Literature Association,マカオ,2019」での「文学と法」を中心としたパネル発表、「Joint East Asian Studies Conference,エジンバラ 2019」での発表を予定。 科研代表者センは、東京以外の地域における日本語テキストについて調査を行い、アジアにおける日本語テキストと東京中心のテキストとの比較対照を行い、引き続き台湾での資料調査も行う。 研究分担者 加藤 中国語圏及び満州に変わる文学テキストを調査。本澤 フランスやドイツ、日本の法律の比較研究及び調査。佐伯 文学にける法律とジェンダーに関する調査及び発表。棚村 日本の法律と中国及び韓国に関する比較研究及び分担研究者と文学と法学に関する研究集会を行う。姚 中国語圏にかかる重要な資料の調査及び和訳を行う。さらに、法律家松岡参太郎を中心に知識人の交流について調査。逆井 アメリカ占領期の日本人、在日韓国人や朝鮮人、アジア知識人とアメリカ文化政策との関係を比較研究する。金 主に韓国での日本の法律に関する資料調査及び比較研究、翻訳を行う。
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Remarks |
研究代表者、分担者、海外研究協力者による国際ワークショップを中国文化大学、台湾で開始、研究者を含め、若手研究者や院生数人が参加し、それそれが発表を行い、報告書を作成した。このワークショップの開催によって日本語 及び日本法律に関する情報交換と次回の研究集会に向けて企画をすすめられた。
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Research Products
(43 results)