2019 Fiscal Year Annual Research Report
Multidisciplinary research for social transition and local varieties by cultural contacts between hunter-gatherers and agricultural cultures
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18H00749
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Research Institution | Tohoku University of Art and Design |
Principal Investigator |
青野 友哉 東北芸術工科大学, 芸術学部, 准教授 (60620896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新美 倫子 名古屋大学, 博物館, 准教授 (10262065)
澤田 純明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (10374943)
川幡 穂高 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (20356851)
篠田 謙一 独立行政法人国立科学博物館, その他部局等, 研究調整役 (30131923)
添田 雄二 北海道博物館, 研究部, 学芸員 (40300842)
百々 幸雄 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 専門委員 (50000146)
西本 豊弘 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 専門委員 (70145580)
伊達 元成 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 学芸員 (70620897)
渋谷 綾子 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (80593657)
近藤 修 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (40244347)
永谷 幸人 伊達市噴火湾文化研究所, その他部局等, 学芸員 (10844269)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 狩猟採集文化 / 農耕文化 / 有珠モシリ遺跡 / 文化接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
狩猟採集文化と農耕文化の接触を示す具体的事例を明らかにするため、北海道伊達市有珠モシリ遺跡の発掘調査と各種分析を実施した。考古班は、遺跡全体の分布調査を行い、遺跡が縄文時代中期まで遡ることや、縄文晩期から続縄文期にかけて円礫を主体とする遺物包含層が存在することを明らかにした。札幌医科大学が1980年代に調査した地点を再発掘した結果、未発掘の縄文時代晩期の墓坑を検出し、周辺から多数の散乱人骨と続縄文期に特有に見られる鹿角製銛頭などの副葬品を発見した。これらは当該期の葬墓制を明らかにする好資料であり、2020年度に詳細な調査を行う。さらに、北海道に生息しないイノシシの成獣の臼歯や、本州島北端が製作地とされるベンケイガイ製腕輪が出土し、農耕文化との接触を示す資料を得た。 人類班は有珠モシリ人骨の比較調査として、関東および東海地方の縄文晩期人骨に対し、エナメル質減形成などの古病理学的調査を実施した。DNA分析では、香川・鳥取・福岡・沖縄の弥生時代から古墳時代人の分析が行われ、今後、北海道続縄文人骨との比較が可能になった。残存デンプン粒分析では、愛知県枯木宮貝塚の縄文晩期の人骨の歯に付着した歯石を採取し、デンプン粒の検出に成功した。 環境班は、2018年度に採取した有珠地区のボーリングコアについて、AMS年代測定の点数を追加し、コア全体の時系列的な概要の把握を行なった。また、有珠モシリ遺跡周辺での簡易ボーリング(大口径検土杖)によって歴史時代の津波堆積物を確認した。 この他に、北海道から東北地方における弥生系玉類の分布と南海産貝製品の伝播経路および伝世期間について論文化したほか、山形県庄内地方における縄文晩期から弥生時代の遺跡踏査を行い、続縄文文化との関連性を示す本州日本海側の遺跡の発掘調査に向けた事前調査を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年3月の研究会は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて中止したが、発掘調査や各種分析を実施し、成果が確実に得られているため順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は引き続き北海道有珠モシリ遺跡の発掘を行い、縄文晩期から続縄文期の墓坑について埋葬環境判別法を用いた葬墓制の分析と詳細な記録を行う。また、出土した人骨および副葬品は考古学・人類学のあらゆる分析が可能となる保存方法とサンプリングを行う。また、貝層断面のブロックサンプルの採取と層位的分析を行い、動物種組成の変遷と地質学による海洋環境の復元結果との照合を行う。また、これら有珠モシリ遺跡の発掘と研究の成果を公表するため、過去の未報告資料も含めた発掘調査報告書の刊行を目指す。 さらに、狩猟採集文化と農耕文化とを対比するため、本州日本海側の弥生時代遺跡の発掘に向けた試掘調査を実施する。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Late Jomon male and female genome sequences from the Funadomari site in Hokkaido, Japan.2019
Author(s)
Kanzawa-Kiriyama H., Jinam TA., Kawai Y., Sato T., Hosomichi K., Tajima A., Adachi N., Matsumura H., Kryukov K., Saitou N., Shinoda K.
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Journal Title
Anthropological Science
Volume: 27
Pages: 83-108
Peer Reviewed
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