2018 Fiscal Year Annual Research Report
Preservation and Wise Use of Natural Monuments through Vegetation Manegement and the Development of Enviromental Educational System using GIS
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18H00761
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
小川 義和 独立行政法人国立科学博物館, 連携推進学習センター, センター長 (60233433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 拓洋 独立行政法人国立科学博物館, 附属自然教育園, 一般職員 (30787354)
海老原 淳 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (20435738)
永野 昌博 大分大学, 理工学部, 准教授 (50530755)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GIS / 環境教育プログラム / 天然記念物 / 植生管理 / 文化財の保護と活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
■植生管理 ○事例収集:植生管理の可視化に向けての課題を明確にするために,植生管理の可視化に関する事例の情報を収集し,国内3箇所,海外1箇所へのヒアリングを行った。その結果,CAD等を用いた図面化の事例はあったが,GISを植生管理に活用する事例はなかった。また,管理記録を可視化する手法として,日報を活用し,継続されていた事例が確認できた。 ○GIS活用に向けてのヒアリング:自然教育園におけるGIS活用の方策の検討と,将来的な活用を視野に入れた具体的な実施内容の検討と試行を行うため,植生管理に携わる職員を対象としたヒアリングを,ワークショップ形式で実施した。3回のワークショップを通じて検討した結果,植生管理をGISデータ化する作業日報の内容案を作成できた。 ○指標種の選定:科学的なデータに基づき管理内容を評価し,管理指針を検討するための基礎資料となる「指標種」について選定を進めた。園内や関東平野南部の草地や雑木林等での植生調査を行うとともに,文献によるデータを追加し解析した結果,自然教育園に生育する植物種と関東平野南部の草地・雑木林との関係性が把握できた。 ■調査研究支援:調査研究支援は,平成31年度以降,データの公開手法の検討などに着手する予定である。平成30年度は,その前段階として,園内植物目録の電子化を行った。 ■展示教育:展示教育は,植生管理の事例収集と併せて,自然系エコミュージアムにおける植生管理や蓄積データの教材活用事例について情報収集を行ったが,該当する事例は得られなかった。次年度以降,システム開発に着手する予定であるが,そのコンテンツの一例として,自然教育園に蓄積する樹木データの変遷を示した動画などを作成した。さらに,次年度以降の予定を先行して,データを可視化し,展示教育へと活用する仕組みとして「デジタルフィールドノート(仮称)」を試行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の計画通りである。 植生管理を可視化する事例および、植生管理等を展示教育に活用した事例が確認できなかったため、次年度も継続して引き続き収集する。調査研究支援については、植物目録の電子化を行い、次年度予定の電子化を先行して進めた。展示教育については、次年度以降の予定を先行して「デジタルフィールドノート(仮称)」を試行した。
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Strategy for Future Research Activity |
■植生管理:植生管理の可視化の事例が確認できなかったため、引き続き事例収集を行う。植生管理のデータ化については、今年度作成した日報データを蓄積し、データ構成や更新方法を検討する。また、管理内容を評価するための指標種を選定し、データ化するためのモニタリング手法を検討していく。 ■調査研究支援:GISの公開事例を収集し、構造、インタフェースなどを分析する。また、自然教育園におけるGISデータの公開手法を検討していく。 ■展示教育:植生管理や蓄積データを教材に活用した事例が確認できなかったため、引き続き事例収集を行う。昨年度試行した「デジタルフィールノート」(仮称)について、引き続き実証実験を行い、改良を加えていく。またタブレット端末で、写真や動画により、植生やその変遷、植生管理を可視化するシステムを開発していく。
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