2018 Fiscal Year Annual Research Report
集団的林野経営の地域的機能分析と地域振興政策への応用可能性に関する研究
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18H00775
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中川 秀一 明治大学, 商学部, 専任教授 (00298415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 寿章 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40208202)
塩谷 弘康 福島大学, 行政政策学類, 教授 (50250965)
藤田 佳久 愛知大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (70068823)
岡田 秀二 富士大学, その他の研究科, 教授 (70133907)
寺尾 仁 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70242386)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 入会林野 / 山村 / 生産森林組合 / 森林資源利用 / 地域活動 / コモンズ |
Outline of Annual Research Achievements |
5回の共同研究会を実施し、研究分担者間で議論を積み重ねた。第一回研究会は、7月21日に明治大学駿河台校舎で開催し、本研究課題についての問題意識を共有し、分担内容を確認した。第二回研究会は、8月31日に盛岡市で開催された東日本入会・山村研究会の際に開催した。当日は、研究分担者である岡田が基調報告を行い、その後で議論の場を設けた。第三回研究会は、11月3-4日に新潟県村上市(旧朝日村)で、高根生産森林組合における活動について共同での視察調査を行った。第四回研究会は、2月10-11日に長野県上田市で開催し、民族ライブラリーから高知県池川町の焼畑などに関するドキュメンタリーDVDを視聴して議論した。2日目は上田市稲倉の棚田を視察した。第五回研究会は、3月9-10日に明治大学で開催した。今年度の研究成果について報告し、次年度に向けた課題について討議した。また、小繋事件に関するドキュメンタリーDVDを視聴して議論した。 一方、各自が研究分担にしたがって調査を進めている。成果として、中川はスコットランドにおけるCommunityLandownershipの調査を進め、現地調査の共同研究者ら(FrankRennie・HIU/磯田弦・東北大)と研究成果をまとめてすでに脱稿した。西野は、これまでの当該研究課題に関する研究の集大成として、人文地理学会の特別研究報告を行い、『山林』誌上の論稿では、林業実務者らに向けた研究成果の社会への還元を図った。寺尾は、東日本入会・山村研究会の機関誌に論稿を寄せた。 現地調査を各分担者それぞれが進めている。藤田は山梨で、岡田は岩手を中心とする東北地方の山村における現地調査を進めており、中川は四国、西野は九州、寺尾は北信越を中心に継続的に現地調査を行った。これらはまだ成果となっていないが、今年度予定されている共同での研究会を経て、順次経過を報告していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題では、別の科研ですでに作成した共有林に関するデータベースの活用を企図していたが、データベースの分析が必ずしも円滑に進んでいないため、共有林の類型化作業が進んでいない。その一方で、現地での調査は、各自で進めている。その調査結果は、今年度は初年度ということもあり、まだ成果をみていない。親族に予期せぬ事態(母の病気)があり、年度末近くに予定されていた調査計画が行えなかったり、所属研究機関の行政業務が急速に逼迫して予定された調査が実施できなかった研究分担者がおり、研究が滞った点がみられた。
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Strategy for Future Research Activity |
共有林データベースを活用した類型化作業について、データを再点検して推進していくこと、各自の研究分担について、相互に意見交換しながら進めていくことに注力していくこととしたい。その場合、問題共有する方法として、現地視察やドキュメンタリーDVDの視聴を通じた意見交換の方法を活用していくこととしたい。今年度高崎経済大学で開催される、東日本入会・山村研究会では、中川が基調報告を行うこととなっている。スコットランドでのCommunityLandownershipとの比較、日本の棚田保全の動向などを参照しつつ、入会林野・生産森林組合の問題へと展開する報告を予定している。共同視察調査としては、岩手県二戸町小繋について、現状視察を行う予定である。本研究課題では、より実践的な行政実務者との交流を企図しており、今年度は基盤づくりにも努めたい。 そのために、3回の研究会の開催を通じて各自の研究の経過報告を行うとともに、議論を通じた問題の共有を図るとともに実務者との交流を図ることとしたい。
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Research Products
(18 results)