2021 Fiscal Year Annual Research Report
Basic Construction toward Meta-Study of Constitutional Law: Philosophical Revision over Theoretical Foundation of Constitution
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18H00791
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大屋 雄裕 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (00292813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 功一 東京都立大学, 法学政治学研究科, 教授 (00404947)
米村 幸太郎 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (00585185)
宍戸 常寿 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (20292815)
安藤 馨 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (20431885)
井上 武史 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (40432405)
片桐 直人 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (40452312)
横濱 竜也 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (90552266)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタ憲法学 / ナショナリズム / 宗教 / 統治行為論 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年目にあたる2021年度には、全体研究会を3回開催するのに加え、国際学会(法哲学社会哲学国際学会連合世界大会を想定)に1名を派遣し、研究成果の共有と議論を進める予定であったが、COVID-19問題により各大学で長距離の出張が禁じられ、会場使用も許可されず、国際学会の開催自体が断念・延期に追い込まれていったなどの事情により、当初予定通りの実施はほぼ不可能となった。 このため、オンラインで研究会合を適宜開催しつつ、関連する憲法学者・法哲学者によって個々の研究テーマごとに構成される基本的なユニットによって個別の共同研究を進めるという対応に努めた。実施時期についても感染状況の影響を受けかなりの程度延期せざるを得なかったが、予算執行についてはこの間の社会情勢の変化に対応して生じた新たな問題に関連する資料の購入に注力することによって繰越を避け、遅れを取り戻すことにある程度成功した。 前年度に引き続きCOVID-19によるパンデミックとそれに向けた対応が憲法秩序にもたらす問題が社会的にも大きな注目を集めており、その理論的検討と分析に相当の労力を費やした。また、進展するグローバライゼーションのなかで数年前には想定もされていなかった他国への侵略が現実的な危機となり、ウクライナにおける成人男子の出国禁止措置など、ネイションを守るために個々人に課される制約の問題が極めてアクチュアルなものとなった。これらの提起した問題を受け止め、理論的な成果に結び付けるための検討を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の全体的なフレームワークを策定し、メンバー全員で一定の問題意識を共有しつつ、可能なものから全体での検討を進めるというプロジェクト推進の基本方針は維持されている。また、共有された問題意識を反映した各メンバー個別の研究成果も発表されており、成果の社会的還元も進みつつある。 その一方、COVID-19問題のなかで対面形式での研究会を開催することはほぼ不可能であり、各大学における教育研究機能の維持に各研究者が相当の労力を割かざるを得なかったことも含め、プロジェクト全体の成果としての論文作成が十分に進んでいるかには一定の問題が指摘され得る。このため、上記の評価が適当と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
全体的な研究フレームワークの範囲内で、個別テーマに関する憲法学者・法哲学者の共同研究を進めつつ、全体に成果が共有可能な段階に達したものから順次プロジェクト全体での検討に入るという手法を継続的に展開する。COVID-19問題による出張・会合の制限が当初の予想以上に長期化していることから、オンラインを活用して研究会開催・研究成果の相互検討を積極的に進めることを予定している。成果発表の手段として国際学会への参加と報告を予定していたが、現在の状況で大規模な学会の開催・国際的な渡航がいずれも極めて困難になっているため、オンライン開催される国際学会や国内の関係学会への参加により代替することを検討したい。 研究の内容的には、パンデミックへの対応として導入されたさまざまな施策の適切性や憲法上の人権保障との関係に関する検討を複数のメンバーが継続しているため、それらの理論的関連性を構築することを試みたい。また、緊急事態法制をめぐる議論はパンデミックのみならずウクライナ危機の関係でも再度注目を集めている。すでにオンライン議会の可能性などをめぐっては研究代表者・研究分担者の一部が関係する研究成果を明らかにし社会還元にも取り組んできているため、それらをまとまった形での情報発信へとつなげることを想定する。これら複数の論点に関連する情報収集に努めるとともに、それらに対して十分な分析を提供するための理論的観点の構築に努めたい。
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Research Products
(15 results)