2019 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化と技術革新の時代における民事司法の改革に関する国際比較研究
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18H00806
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
山本 和彦 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (40174784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 秀介 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (10282534)
三木 浩一 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (20199970)
杉山 悦子 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (20313059)
我妻 学 首都大学東京, 法学政治学研究科, 教授 (30211668)
長谷部 由起子 学習院大学, 法務研究科, 教授 (40159637)
田邊 誠 広島大学, 法務研究科, 教授 (40197512)
下村 眞美 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (50346128)
松下 淳一 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (70190452)
酒井 一 関西大学, 法務研究科, 教授 (70248095)
大村 雅彦 中央大学, 法務研究科, 教授 (90129958)
勅使川原 和彦 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (90257189)
笠井 正俊 京都大学, 法学研究科, 教授 (90283580)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 民事訴訟の国際化 / 民事訴訟のIT化 / 専門訴訟 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、民事訴訟、民事執行、倒産手続(以下、「民事手続」とする。)における国際化と技術革新に関して、前年度と同様に、個々の研究共同者による国内法および外国法の調査を進めるとともに、その結果について意見交換を行ったり、公表を行ったりした。例えば、現在国内で進められている民事裁判のIT化に関連して、国内の問題点について研究者間で議論を行ったり、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツにおけるIT化の流れについて予備的な調査を行ったり、国内の検討状況について適宜報告を行ったりした。 加えて、海外の研究者に対して、民事手続の国際化と技術革新に関連するテーマについて、比較法的な調査を依頼したり、研究分担者に、諸外国の状況について文献調査等を行ってもらった。調査の結果については、11月に神戸で開催した国際シンポジウムで報告を行い、参加者との間で活発的な意見交換が行われた。 例えば、民事裁判と国際化との関係では、外国債務名義の承認執行の手続をめぐる英米法と大陸法のアプローチの違いや、近時制定されたハーグ条約についての海外の研究者の報告を聞き、意見交換を行った。国際倒産の分野では、国際倒産モデル法の採択状況についての国際比較の結果について、海外の研究者からの報告を受けたり、研究分担者による報告を行った後に、今後の各国のとるべきアプローチについて意見交換を行った。 技術革新の問題については、例えば、南米諸国における人工知能の裁判での利用状況、東アジアにおける民事裁判のIT化の状況について報告を受けたり、電子的な証拠の取扱いについての現状と課題についての、英米法諸国と大陸法の国のアプローチの違いにつき、研究分担者が報告を行い、様々な国の参加者から意見を聴取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度に国際的なシンポジウムを開催して、諸外国における民事訴訟の国際化と技術革新をめぐる現状と課題について多くの知見を得ることができた。そして、その結果を公表するために海外の出版社と交渉を進めることもできている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、令和元年度のシンポジウムで得た各国の状況を踏まえて、国内でとるべき措置について検討を行い、公表をする予定である。特に、国内で民事裁判のIT化に向けた法改正への具体的な検討が始まるため、諸外国、特に、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、さらにはアジア諸国における裁判のIT化の実情について得た知見をもとに、オンラインによる訴え提起や、オンライン法廷、人工知能の活用によって得られる利点や問題点を比較検討し、具体的な立法提言を行う。また、電子的な証拠の取扱いについても、シンポジウムを通じて得られた諸外国の状況を基礎としつつ、日本における従来の取扱いが今後どのように変容を受けることになるのか解釈論や立法論を提示する。 民事手続の国際化に関しては、国際管轄、裁判の承認執行、国際倒産などの場面において、諸外国の実情を参考に、国内法制の見直しを行う。 令和元年度のシンポジウムで報告された、諸外国における民事手続の国際化と技術革新をめぐる議論状況については、シンポジウム前後を通じて行われた意見交換の結果を踏まえて修正を施したうえで、海外の出版社を通じて出版、公表をする。また、国内での検討状況については法律雑誌、法律書などにおいて公表を進める。
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Research Products
(35 results)