2020 Fiscal Year Annual Research Report
消費者信用法制の新段階の検証―法規制の態様・存在形式・内容の総合的検討の試み―
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18H00808
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
丸山 絵美子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (80250661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 雄裕 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (00292813)
横溝 大 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00293332)
松田 貴文 名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (00761488)
得津 晶 東北大学, 法学研究科, 教授 (30376389)
西内 康人 京都大学, 法学研究科, 准教授 (40437182)
牧 佐智代 新潟大学, 人文社会科学系, 講師 (40543517)
高橋 祐介 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50304291)
吉政 知広 京都大学, 法学研究科, 教授 (70378511)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 消費者法 / 法と経済学 / 行動経済学 / 消費者信用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、消費者法の立法・解釈の現状が抱えていると思われる問題について、今後の立法論・解釈論に寄与するために、基礎理論・総論レベルでの幾つかの整理を行い、消費者信用法制を中心に、法規範の設計・法解釈のあり方を実践してみるというものである。本年度は、昨年度に引き続き、研究代表者と分担者による雑誌連載による研究業績を公表した。昨年度は、丸山・西内論文による企画の趣旨の説明後、大屋論文によって消費者法はどのような利益を守る制度なのか、価値論の分析が整理され、吉政論文によって消費者法のルールについて、事前事後の視点や過剰規制・過少規制の意義が明らかとされた。本年度は、引き続き、松田論文によって、私人・行政庁・裁判所など様々な主体による契約の協働形成という観点から権限分配という視点で考察する意義が示され、西内論文では消費貸借法制を題材に行動経済学による分析が実施され、牧論文では、英国ペイデー・ローン規制において行動経済学の果たした役割が示された。他方、得津論文では、企業の行動に対して行動経済学の果たす役割の限界が説かれ、丸山論文では、執行の局面において法の経済分析からベターミックスの手がかりを示した。横溝論文では、消費者信用法制を題材に国際的な規範形成と関与の在り方が論じられ、髙橋論文は、税法が消費者法に与える影響について複数の観点から分析が示された。連載には、一定の反響が得られ、2020年「法と経済学会」におけるグループ報告を打診され、学会における報告を行うに至った(2020年10月3日(土)ZOOM開催)。丸山、西内、吉政、松田が報告し、モデレーターを丸山が、司会を得津が担った。コメントを、室岡健志先生(大阪大学大学院国際公共政策研究科)、田中亘先生(東京大学社会科学研究所)からいただき、問題意識の共有や課題を発見することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3年目の段階であるが、すでに研究成果の公表を学術雑誌(法律時報)において行うことができ、研究成果物を意見をいただきたい専門家に送付することによって着実な反響も得ている状況である。その証左として、2020年度の法と経済学会においてグループ報告のオファーを受け、研究を発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては、これまでの研究成果を踏まえ、実務家や経済学の専門家にもご参加いただいて、座談会形式での研究会を開催したいと考えている。そして、すべての研究成果を書籍として刊行することを目指している。コロナ禍の状況を踏まえ、出張調査などができないとの予測が立つので、テキスト分析やオンライン研究会を活用することで、研究を総括する予定である。
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Research Products
(11 results)