2021 Fiscal Year Annual Research Report
インド・バングラデシュにおけるPM2.5暴露経路の解明と健康影響低減政策の研究
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18H00839
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日引 聡 東北大学, 経済学研究科, 教授 (30218739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松見 豊 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 名誉教授 (30209605)
倉田 正充 上智大学, 経済学部, 准教授 (30757050)
高橋 和志 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90450551)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PM2.5 / 健康影響 / バングラデシュ / 屋内汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、これまで新型コロナウイルス感染拡大により遅れていたバングラデシュにおける大気汚染及び室内空気汚染の調査とランダム化比較試験(RCT)を実施した。本調査では調査員が頻繁に各世帯を訪問し、PM2.5濃度測定器のモニタリングや健康診断等を行う。よって感染対策に万全を期す形で調査を計画し、9月に現地ダッカ大学のIRBにて倫理審査の承認を得た。 調査は大気汚染が深刻な首都ダッカ周辺の都市、都市近郊、農村の3地区を対象とし、10月にベースライン調査を実施した。その後、ランダムに選ばれた半数の世帯を対象に、室内空気汚染に関する注意喚起と情報提供の介入を行った。具体的には、ベースライン時に得られた世帯別の汚染データを図示したリーフレットを配布し、調理時などPM2.5濃度が高まる時間帯に注意を促すとともに、汚染抑制のための様々な方法(薪の十分な乾燥や頻繁な換気など)の情報を提供している。その後、12月に中間調査、2月に最終調査を実施した。なお公平性の観点から、最終調査後には非介入群の世帯に対しても注意喚起と情報提供を行っている。 調査が最終年度にずれ込んだことで分析にも遅れが生じているが、現在は2つの論文を作成中である。第一の論文は室内空気汚染の要因と地域間比較分析である。一般的に、途上国における室内空気汚染は固形燃料を使用する農村の方が都市よりも深刻であるという先行研究も多い中、本調査では逆の結果が得られた。この原因として、ほとんどの農村世帯では台所が屋外に設置され排煙の影響が抑制されている一方、都市部では屋外の大気汚染が室内に流入している状況が確認された。同論文はワーキングペーパーとして公開する段階にある。第二の論文はRCTの注意喚起・情報提供の効果検証である。これについては現在準備中であり、7月頃のワーキングペーパーとしての公開を目指している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)