2021 Fiscal Year Annual Research Report
「noisyな経験財」のレモン市場問題:発展途上国の粗悪肥料問題を事例に
Project/Area Number |
18H00844
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
有本 寛 一橋大学, 経済研究所, 教授 (20526470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 嘉弘 広島修道大学, 商学部, 教授 (00183046)
荒神 衣美 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター ジェンダー・社会開発研究グループ, 研究員 (40450530)
真野 裕吉 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (40467064)
塚田 和也 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センターミクロ経済分析研究グループ, 研究グループ長代理 (80323476)
松本 朋哉 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80420305)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 粗製肥料 / レモン市場問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,消費者が消費後も品質を正確には知り得ない「noisyな経験財」が引き起こすレモン市場問題の実態を解明し,これを解決する政策手段を提案することである.事例として,発展途上国の粗悪肥料問題を取り上げる.成分が基準を満たさない粗悪な化学肥料が市場で蔓延し,農家はこれらの導入を控え,農業生産性が停滞している問題である.2022年度は,研究成果を論文として取りまとめ,国際英文学術誌に投稿し,改訂をおこなった. 第1は,ベトナムのメコンデルタで流通している肥料の品質の推定と,肥料品質を取り巻く公的もしくは市場的な取り組みをとりまとめた論文である.実際に肥料を収集し品質検査をおこなった結果や,肥料品質を取り巻く制度的なコンテクストとして公的な規制や市場での取り組みを明らかにした.本論文は国際英文学術誌に投稿し,返っていた査読コメントに基づき,2本の論文に分けた大幅な改訂を終えた. 第2は,三期作が肥料投入や農家経営に与える影響に関する論文である.ベトナムでは肥料投入が過大であり,その一因として肥料の品質が悪く,不足する成分を補充するために投入量が増えているという指摘がある一方で,三期作による土壌劣化が原因とする説もあり,それを検証する論文である.本論文は,研究セミナーで報告し,大幅な改訂を終えて投稿原稿を完成させた. 以上,2022年度は本プロジェクトの総仕上げとして,研究成果を学術論文にとりまとめ,査読コメントやセミナー報告によるフィードバックを通して,内容の精緻化と質の向上を図ることができた.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)