2018 Fiscal Year Annual Research Report
Short Term Variability of Emotion and Asset Price: With Special Attention to the Distribution of SerotoninTransporter Gene
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18H00873
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
須齋 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 徳道 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00272344)
土居 裕和 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (40437827)
川崎 能典 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (70249910)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 情動変動 / 実験ファイナンス / リスク態度 / ボラティリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、PC上での実験プログラムの開発、RGBカメラによる情動の計測が実験での利用可能な状態まで計測精度の向上を目指して、予備的な実験を行うことを目的としていた。 PC上での実験プログラムの開発については、取引に加えて、外部情報の提示方法やそのタイミングの設定、参加者のポジションの表示、管理機能の開発を進めた。これまでの実験プログラムでは、ポジションの条件設定や、情報開示などの機能が完備されていなかったが、マーケットのディーラーのインタビューなどから、ポジションの状況は情報へのリアクションに影響を与える、との知見を得たことから、この機能を追加する過程が追加されたため、実験プログラムの策定に時間を要している。実際のマーケットでの取引環境に近いプログラムの開発が重要であるため、それに時間をかけてきている。これまでに一定の進展はあったので、次年度の前期にはプロトタイプを作成し、プレ実験を開始する予定である。 RGBカメラによる情動計測に関しては、民間企業の協力を得て、オフィス環境下での情動計測実験を実施した。2018年度はデータの収集までを終了し、2019年度にそのデータの解析を行う予定となっている。オフィス環境下での情動計測は、対象者の姿勢や部屋の明るさ、カメラからの距離など、計測の精度に影響を与えるいくつかのファクターを確定することができた。次年度以降に実施する実験の環境設定についての条件の整備などが整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PC上での実験プログラムのプロトタイプの構築は順調に進んでいる。買い、あるいは売り注文がリアルタイムに情報に反映されるシステムは開発を終わっている。被験者への過去の価格情報、外部からのニュース等の情報提供、あるいはポジション情報について、実験に反映させるシステムの構築を進めている。 RGBカメラによる情動計測は、管理された条件下での計測は可能となっているが、研究室以外の場所での計測に課題が残っている。特に、海外での実験については、環境の整備が不確定なので、計測技術の向上が必要となる。2018年度は、民間企業のオフィスで脈波の計測実験を実施した。計測環境の整備にはかなりの時間を要したが、脈波は解析可能なデータとして測定可能な形で測定することができた。条件等を精査し、大学の教室など、より一般的な環境下での計測環境の条件確定などを進めることにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はPC上で実験システムを完成させる。その上で、長崎大学、国士舘大学、千葉大学等でプレ実験を実施することとしている。また、海外でもプレ実験を実施するため、実験の英語化を進める。英語化に関しては、ポーツマス大学のStenfors教授の協力を得ることとなっている。 RGBによるリアルタイムの脈波測定は、引き続き、環境確定の作業を進めるとともに、プレ実験の際に、脈波の測定も行う予定としている。 これらのプレ実験に際しては、長崎大学経済学部において倫理委員会の審査を受ける予定としている。
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