2018 Fiscal Year Annual Research Report
アジアのコングロマリット型小売企業の国際化戦略に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
18H00909
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
崔 相鐵 関西大学, 商学部, 教授 (10281172)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 到亨 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00437451)
張 華 山梨学院大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (10580756)
趙 命来 香川大学, 経済学部, 准教授 (60582228)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 小売国際化 / コングロマリット企業 / ファミリービジネス / 人的ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新興国小売企業による国際化の可能性に焦点を当て、商業ネットワークとグループパワーの視点から、コングロマリット企業のの小売国際化プロセスを究明することである。 上記の研究目的に沿って、本年度は文献研究を行い、アジア新興国の「コングロマリット企業」の全体像を把握し、小売国際化研究に位置付けが明らかにした。具体的に、平成30年度に実施した3回の研究会を通して、第1に、新興国における小売国際化研究の課題、第2に、華人ネットワークの理論研究の課題を明らかにすることが出来た。この研究成果により、新興国による小売国際化のプロセスを明らかにする理論分析枠組みが提示できたことは大変意義があるといえる。 当該年度は定性的調査を行い、2つの研究結果を得た。第1に、コングロマリット企業の進化のプロセスを多面的に分析することが出来た。そのため、平成30年8月にタイのPTTグループに属する企業カフェアメイゾンを対象にインタビュー調査を実施した。第2に、華僑のファミリービジネスの人的ネットワーク(血縁、地縁、取引先ネットワーク)を明らかにした。そのため、平成31年2月に中国浙江省の義烏卸市場の温州商人を対象にインタビュー調査を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、小売国際化に関する文献・資料整理を中心に行った。まず、小売国際化、ファミリービジネス、華僑の人的ネットワークに関する先行研究を行い、新興国におけるコングロマリット企業の小売国際化を分析した。また、これまで小売国際化研究から明らかにされていない理論枠組みの精緻化を行うことができた。 なお、新興国におけるコングロマリット企業の小売国際化の進化プロセスを明らかにするため、インタビュー調査も計画通りに行っている。その際に、経営者の意志、グループパワー、現地での潜在的ビジネスパートナーの存在が重要である有益な情報を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度はイタリアの温州商人の人的ネットワークを中心にフィールドワーク調査を進める。基本的には、研究計画に沿って調査を進めていく予定である。また前年度の調査で得られた発見事項の理論的検討を行い、研究成果を学会に発表する予定である。
|