2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Longitudinal Study on Career Mobility and Life Course Perspectives for Japanese Youth and Middle-aged Migrants
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18H00922
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 賢示 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60734647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 伸 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30345061)
元治 恵子 明星大学, 人文学部, 教授 (60328987)
香川 めい 大東文化大学, 社会学部, 講師 (00514176)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 現地採用 / 東アジア / 東南アジア / 労働市場 / 職業キャリア / 労務管理 / 国際移住 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、海外における現地採用日本人就業者をとりまく状況に関する情報を得るため、東アジア、東南アジア地域の人材紹介企業を訪問し、聞き取り調査をおこなった。2018年8月に香港、2018年11月には上海の人材紹介企業で勤務経験のある対象者、2018年12月にインドネシア・ジャカルタ、2019年2月~3月にシンガポール、タイ・バンコクを訪問した。合計11社、22名の担当者に、1件あたり1時間半から2時間程度のインタビューを実施した。また、本研究課題に関連する先行研究を社会学、経営学、文化人類学を中心に収集し、他の研究に比して本研究課題が独自性をもって取り組むべき課題を検討した。 インタビューを通じて、現地採用日本人の就業機会の状況が国・地域によりばらつきを持っていることが明らかとなった。具体的には、彼らが主に就業する現地日系法人の人事のあり方や、現地労働市場におけるローカルスタッフと日本人の競合状況によって、現地採用日本人のキャリア移動機会が規定される可能性を確認した。また、日本への帰国後のキャリア移動の機会についても、現地採用としていかなる経験を積んだのかにより分岐が生じている可能性があることを見出した。 以上の聞き取り調査の結果は、暫定的にディスカッションペーパーとしてまとめ、学会報告等で関連する研究領域の研究者と情報共有をおこなった。また、現地採用研究にかかわる先行研究を一般向けにまとめた英文記事の作成などもおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、本年度は海外における人材紹介企業の担当者に接触し、さまざまな情報を得ることができた。予算、時間等の制約により東アジア、東南アジア以外の地域についてはカバーができていないが、外務省が公表している「海外在留邦人数調査統計」等の情報を参照する限り、現地採用日本人が主に暮らしているのは東アジア、東南アジアであることも確認しており、研究進捗上の問題とはなっていないと判断している。今後は、聞き取り調査を経て形成したネットワークを活用しながら、フィールド調査のさらなる展開や定量的調査の実現に向けて準備を進めてゆきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の聞き取り調査の結果、実際に日本人を現地法人で雇用している企業の担当者より、実情についてヒアリングをおこなう必要性についても認識するに至った。可能な範囲で協力を得られるインフォーマントを開拓し、雇用サイドへの聞き取りも実施できればと考えている。また、接触できた現地人材紹介企業等の協力を得つつ、今後は定量的なパネル調査の設計をおこない、質的、量的両面のアプローチから現地採用日本人のキャリア移動機会について迫ってゆくことを予定している。
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Research Products
(5 results)