2020 Fiscal Year Annual Research Report
Sociological Study on Social Theory and Higher Education with Intellectual Interaction between Japanese and German Social Scientists in the late 19th and early 20th Centuries
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18H00938
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
野崎 敏郎 佛教大学, 社会学部, 教授 (40253364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 智子 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (00379041)
恒木 健太郎 専修大学, 経済学部, 准教授 (30456769)
鈴木 宗徳 法政大学, 社会学部, 教授 (60329745)
三笘 利幸 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60412615)
内藤 葉子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (70440998)
メンクハウス ハインリッヒ 明治大学, 法学部, 専任教授 (70515915)
橋本 直人 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (80324896)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日独学術交流史 / 日本社会思想史 / ドイツ社会思想史 / 日本の大学史 / ドイツの大学史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画によって、おおよそ1880年代から1945年までの日独の社会科学者たちの営みと大学問題とを重ねあわせ、埋もれていた史実に光を当て、近代日独の社会学説史および社会科学者の国際交流活動の再検討を進めた。そのまとめとして予定していた国際シンポジウムを、対面とリモートとのハイブリッド形式で開催し、社会学、経済学、ドイツ大学史学、教育史学、法史学の専門家による討議によって、充実した成果を得た(2022年1月22日)。 この研究活動によって、まず、戦前期日本におけるマックス・ヴェーバー受容が、大塚久雄らの時局認識によって大きな変質を被っていたことが判明した。また、帝国大学設置前後の状況から、ビスマルクやアルトホフによる大学支配および大学自治の否定が、伊藤博文らを通じて、日本の大学行政に大きな影響を及ぼしていた可能性が浮上した。その一方で、カール・ラートゲンは、アルトホフと個人的交友関係があるにもかかわらず、その8年にわたる滞日教育活動において、一貫して大学の自治と学問の自由を擁護していたこと、またラートゲンが、伊藤博文らによる寡頭制支配を鋭く批判していたことも判明した。初期帝国大学にかんしては、森有礼の果たした役割を洗い直すべきことが示唆され、また、日本の支配層によって把握されていた「独逸学」と、ラートゲンらが直接学生に説いていたドイツ社会科学とのあいだに、大きな懸隔が存在することも明らかになった。 こうした新知見は、未公刊史料をはじめとして、これまでほとんど知られていなかった新資料や稀覯書を、われわれが発掘したことによってもたらされた成果である。 この研究活動によって得られた新知見を踏まえて、今後、論文・著書の形で成果発表が見込まれている。 なお、シンポジウム形式を変更し、海外からの研究者招待を取り止めたことによって費消しなかった海外旅費分(468,536円)を返納した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(24 results)