2019 Fiscal Year Annual Research Report
Reserch on the formation and allocation process of LARA relief supplies
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18H00952
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
西田 恵子 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (50464706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂金 祐年 常磐大学, 総合政策学部, 教授 (00433574)
呉 世雄 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00708000)
飯村 史恵 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (10516454)
平野 友康 横浜創英大学, こども教育学部, 講師 (10802423)
名和田 是彦 法政大学, 法学部, 教授 (30164510)
阿久津 美紀 目白大学, 人間学部, 助教 (50823449)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ララ救援物資 / LARA / 戦後混乱期 / 要援護者 / 海外救援 / 民間活動 / 社会福祉施設 / 運営管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
第2次世界大戦後、日本への支援として送られてきたアメリカの民間団体LARAから送られた救援物資の形成と配分の過程に注目し、要援護者をはじめ多くの市民が生命と生活を脅かされる危機下の海外救援活動の運営について検討している。 AFSCアーカイブセンターを訪問し、資料閲覧と収集を行なった。その後、再渡航ができない状勢となり、戦後混乱期の海外救援についての先行研究の把握を詳細に行なうこととし、主要文献であるKarl-Ludwig Sommer, 『Humanitare Auslandshilfe als Brucke zu atlantischer Partnerschaft』1999 を取り上げ、「救援物資の配分に関わる組織と配分の実行」「支援物資配分の際の諸問題と1948年夏までの支援の成果」「アメリカ合衆国とドイツにおいて、人道的対外支援はいかに受容されたのか」 の内容把握を行なった。関連してドイツ現代史の研究者を招き、「独米関係と過去の克服 -占領期の対ドイツ人道支援の帰結に着目して」というテーマで講演いただき、ドイツにおける戦争直後の住民意識調査の概況、アメリカ占領地区での非ナチ化政策などの知見を得た。 研究成果の一部は、日本社会福祉学会大69回秋季大会で「ララ物資と日系移民との関わり -ニューヨーク日系人会を例として」を、Mid-Atlantic Region Association for Asian Studies, MARAAS Conference 2021で「Relief activities by overseas private organizations for Japan after World War II -Progress and significance of LARA relief supplies provision-」を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究期間の2年目にあたり、前年度に続き国内外の資料及び情報収集を継続して行なう予定であった。しかし、年度途中で新型コロナウイルスの感染拡大が国内外で深刻な状態で進み、国外はもとより国内の移動も感染予防の観点から憚られ、研究活動は大きく制限を受けることとなった。 そのようなことから、研究目的及び研究課題に直結する研究作業として、これまでに収集した資料の中からドイツ語文献に着目し、主としてアメリカの救援活動についての記述の詳細把握に努めた。 当初、計画していた国内外の資料及び情報収集は次年度以降に繰り延べながらも、本研究に必要なものであるので、状勢をみながらあらためて企画調整を行なうこととしている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて控えてきた国内外の調査を、感染予防に十分配慮しながら実施に努める。 特に本研究の特徴は、大規模災害下の海外救援活動における多主体の協働の要件を明らかにするため、ララ救援物資の日本における配分の実態把握にとどまらず、日本と同様に救援物資による支援を受けたドイツ及び韓国を併せて把握し、検討するところにあることから、実施に向けて先方との連絡調整を随時行なう。ドイツでは救援物資を運び込んだブレーマーハーフェン・ブレーメンを中心に、アーカイブセンター等との情報交換、社会福祉施設関係者との情報及び意見交換、住民組織等との情報交換を行なう。韓国では救援を運び込んだとされる釜山はもとより、ソウル、テグ等、社会福祉施設関係者との情報交換及び意見交換、国会図書館での情報収集を行なう。アメリカではLARAを構成する組織の中でもリーダーシップを発揮していた組織のひとつであるAmerica Friend Service Committeeはもとより、Church World Serviceや、これまで先行研究者も把握できていなかったカトリック組織の文書の収集をはかる。日本国内では、当時、Ryuukyuuとされた沖縄県と救援物資が運び込まれた神奈川県を資料及び情報収集先の中心にすえるとともに、ララに関わる様々な情報の収集を各地で行なう。 収集した資料及び情報は整理を継続して行なうとともに、研究成果の発表のため、出版を想定したとりまとめに取り組む。
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Research Products
(2 results)