2020 Fiscal Year Annual Research Report
Reserch on the formation and allocation process of LARA relief supplies
Project/Area Number |
18H00952
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
西田 恵子 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (50464706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名和田 是彦 法政大学, 法学部, 教授 (30164510)
飯村 史恵 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (10516454)
呉 世雄 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00708000)
砂金 祐年 常磐大学, 総合政策学部, 教授 (00433574)
阿久津 美紀 目白大学, 人間学部, 助教 (50823449)
平野 友康 横浜創英大学, こども教育学部, 講師 (10802423)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ララ救援物資 / LARA / 戦後混乱期 / 要援護者 / 海外救援 / 民間活動 / 社会福祉施設 / 運営管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の影響を受け、世界の状勢を勘案しながら研究活動を進めた。状勢ははかばかしくなく調査の実施に支障をきたしたため、研究目的を叶えるよう繰越を申請し承認を得ることができた。このことにより、COVID-19が大きく縮小をみた2022年度の年末から国内調査、海外調査の実施を年度内に行うことを企画調整することができた。 国内調査は沖縄県に焦点をあてた。沖縄県への現地訪問調査により、文献探索及び関係者のヒアリング調査を実施し、これまで明らかにされていなかった沖縄県におけるララ物資の配分の実態を一部であるが把握することができた。併せて、戦後沖縄に対する移民からの救援物資支援を含めた歴史を次世代に残すための活動が多彩に行われていたことを把握するとともに、紙資料の劣化とアーカイブ化など課題があることを認識することができた。 海外調査はアメリカとドイツで実施した。アメリカではシアトルでワシトン大学アーカイブズを中心に日系移民によるLARAへの関わりの把握に取り組んだが、LARAへの協力そのものは十分に把握できなかった一方、日系移民の渡米後の生活基盤の構築とその困難、コミュニティの形成の工夫、戦時の苦難、現代の中国等他国の移民コミュニティとの差異の一部をとらえることができた。これらは日系移民が移民先で厳しい生活状況にあるなか、本国への救援活動に協力した負担と意義について検討する一助となった。ドイツにおいてはCRALOGのドイツにおける受入の実態の把握に取り組み、ツェレ市、ブレーメン市等で、文書館等を訪問し、文書の閲覧や複写を行った。終戦直後の要援護者及び地域の状況を探るために、民間福祉施設の資料のほか、設置直後のブレーメン市地域評議会の資料を閲覧・検討するところまで予定していたが、時間不足で果たせなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
LARAのAグループ及び沖縄県における受入と配分の実態把握並びに検討、韓国におけるLARAの受入と配分の実態把握及び検討、ドイツにおけるCRALOGの受入れと配分の実態把握と検討、アメリカにおけるLARA及びCRALOGの受入れと配分の実態把握並びに日系移民の関わりの把握と検討を予定していた。 しかしながら2019年度に続き2020年度COVID-19の影響を受け、感染予防と移動の困難により、国内調査及び海外調査を実施することができなかった。そこで研究目的を叶えるよう繰越を申請し承認を得ることができた。このことにより、COVID-19が大きく縮小をみた2022年度の年末から国内調査、海外調査の実施を年度内に行うことを企画調整することができた。 限られた研究期間のもと、研究成果をあげるため、国内調査は沖縄県に絞り込むこととした。海外調査は韓国における現地訪問調査が困難であることから実施を見送ることとし、アメリカとドイツでの実施に絞り込むこととした。アメリカ及びドイツにおいては資料の閲覧と複写を実施したが、本研究の求める資料そのものを探索することに注力する状況にあり、閲覧と複写は一部にとどまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
COVID-19によるパンデミックの終息状況をみながら、引き続き、国内調査と海外調査の企画調整及び実施を行う。また、収集した資料の内容把握とそれらをふまえた検討にも取り組む。しかしながら、認められた研究期間中に全ての研究目標を達成することが困難であることが判断された場合には、研究目的に沿って、達成可能な研究目標から順次、取り組むとともに、研究の継承方策を考えることとする。 当課題の研究目的を果たすため、アメリカにおいてはフィラデルフィアのAFSCアーカイブセンターの他に本研究に有効なアーカイブズを探索することとする。ドイツにおいてはCRALOGそのものの探索が容易でない状況をとらえて戦中戦後の福祉施設や要援護者支援のミッションをもつ財団、要援護者の住民の割合が高い地域などに注目して資料の閲覧と複写を進めることとする。
|
Research Products
(1 results)