2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cross Natinal Research on Dynamics and Reconstruaction of Academic Freedom
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18H00973
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽田 貴史 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 名誉教授 (90125790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 由紀夫 関西学院大学, 国際学部, 教授 (20278584)
松田 浩 成城大学, 法学部, 教授 (20364812)
杉本 和弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (30397921) [Withdrawn]
堀口 悟郎 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (40755807)
船勢 肇 長崎女子短期大学, その他部局等, 助教 (60594059)
長谷部 圭彦 東京大学, 東洋文化研究所, 特任研究員 (60755924)
藤井 基貴 静岡大学, 教育学部, 准教授 (80512532)
栗島 智明 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (90846453)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学問の自由 / 国際比較 / 大学自治 / 国際比較 / 憲法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果としては、図書7(単著5,共編著2)、論文13(うち査読11)の他、広く学界・社会にその成果を還元するため、2022年3月に招待講演者を含めたシンポジウムを開催し、その成果は、ブックレット『危機の中の学問の自由』(2023年8月)として刊行した。総括的な研究成果は、『学問の自由の国際比較 歴史・制度・課題』(2022年3月)として刊行した。その内容は、①2011年以降2000件近い世界の学問の自由侵害の事例と特徴を明らかにし、②現代社会における学問の自由の課題が、外部社会と大学・教員研究者との関係で発生しているだけでなく、大学と教員研究者、学生と教員の学問の自由の対立・葛藤として現れていること、③学問の自由の制度化がいち早く進んだドイツ・フランス、その概念を導入して制度化したアメリカ・日本、制度化が不十分な中国の比較を行い、④安全保障や企業的経営と学問の自由という新しい論点を明らかにし、⑤ヨーロッパを中心に、国際的な学問の自由保障の規範形成が進んでいること、⑥自由保障の制度として、憲法を頂点とする制定法体系(大陸ヨーロッパと日本・中国)、判例や慣習法によるコモン・ロー体系(アメリカ・イギリスなどアングロサクソン諸国)とを区分できるが、単一の要因によって自由が保障されるものではなく、これらを支える大学教員の価値意識を含めた全体構造が重要であることを指摘した。これらの成果は、全国紙で書評に取り上げられるなど高い評価を得ている。また、同書は研究活動で収集した学問の自由に関する英文図書146冊の書誌目録を掲載し、学界での学問の自由研究の発展に寄与する文献となっている。さらにシンポジウムでは、産学連携と学問の自由の緊張関係など、大学が社会の諸セクターとつながることで緊張が生まれ、社会から断絶した自由ではなく、社会的責任として義務と権利の両面からとらえるべきことも明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)