2019 Fiscal Year Annual Research Report
The total studies of the elementary and secondaly schools
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18H00981
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
梅原 利夫 和光大学, 現代人間学部, 名誉教授 (10130858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 由美 和光大学, 現代人間学部, 教授 (00442062)
高坂 康雅 和光大学, 現代人間学部, 教授 (00555253)
金子 泰之 静岡大学, 教職センター, 講師 (00710641)
大日方 真史 三重大学, 教育学部, 准教授 (00712613)
岡田 有司 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (10584071)
富樫 千紘 和光大学, 現代人間学部, 講師 (10803520)
佐貫 浩 法政大学, その他部局等, 名誉教授 (60162517)
金馬 国晴 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90367277)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小中一貫校 / 小中一貫教育 / 学校統廃合 / 教育課程 / 発達心理学 / 自己有用感 / リーダーシップ / 学校体系 |
Outline of Annual Research Achievements |
小中一貫校の教育的効果とデメリットについて、以下のグループによって心理学、教育学的手法で調査・研究を進めた。 (1)心理学グループ、一貫校、非一貫校の児童・生徒の精神的健康に関する大規模アンケート縦断調査の第2回目を約5千人を対象に実施、分析を行った。また、前回までの調査と併せて児童・生徒の意識の変容について縦断的な調査を行った。特に、一貫校における「子どものリーダーシップ」については新たな観点であり、非一貫校との相違点について検証することができた。特に対人関係についての指標において、一貫校で高学年など一部の学年でネガテイブな傾向が見られた。 (2)教育課程グループ、広島県呉中央学園の教育課程について継続的に調査研究を行った。全国で最も早く小中一貫校が導入されたケースであるが、当初、児童・生徒の自己有能感の低下に着目して小中一貫カリキュラムが導入されたものが、学びの連続性、を理由とした「スタンダード」化に変化してきた経緯について検証した。小中一貫教育との行動などの「スタンダード」の相関関係については検証が必要と思われる。 (3)地域事例研究グループ 岩手県九戸村、新潟県十日町市、埼玉県熊谷市、奈良県奈良市などの学校統廃合を伴う小中一貫校の事例について、調査検証した。九戸村のケースでは、5小学校1中学校を1校の施設一体型一貫校に統合するケースが紛争化し、村長選の争点となり反対派が勝利するケースとなった。奈良県では、県内の複数の市町村で小中一貫校化を伴う統廃合問題が浮上し、分析の対象となっている。 (4)国際比較研究グループ、アメリカ、シカゴ市を訪問し、学校統廃合の紛争を経て制度化された「持続可能なコミュニテイ・スクール(Sustainable・Community・School)」を訪問調査し、設立の経緯、パートナーとしての地域団体の関与・役割などについて明らかにできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)3年間の縦断アンケート調査に関しては、2年目になり十分なアンケート票をえることができた。しかし一部3学期に新型コロナ対策で休講措置になったため、予定していたアンケート調査を実施できなかった学校が生じた。心理学グループの分析は順調に進められており、複数の心理学系学会でシンポジウム等で報告予定であったが、学会の延期、中止などにより報告を行うことができなかった。 (2)教育課程グループは年度前半に調査研究を行い、報告所に向けて検証を進めている。また東京都内の複数の自治体で同様に小中一貫教育と「スタンダード」をリンクさせて実施するケースも出現していて、同様の事例として調査対象とすることを計画化した。 (3)地域事例研究グループでは、全国的に新たな小中一貫校化、実質的な統廃合が行われている岩手県、埼玉県、新潟県、奈良県などのケースについて調査、研究を進めることができた。 (4)国際比較研究グループにおいては、大規模学校閉鎖が一部で小中一貫校化を伴いながら進められてきたアメリカ、シカゴ市のケースについて訪問し、新たな地域と学校の関係を示唆する「持続可能なコミュニテイ・スクール」について新たに調査することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は3年間の研究の最終年度であり、全体的な研究のまとめ、社会的な公表を行う。(1)心理学グループが今年度で3年間御縦断的調査を終える「一貫校と非一貫校を対象とする子どもの精神的健康についての調査」については、今年度、3年目のアンケート調査を実施し、縦断的な分析を行う。過去2回の科研研究で実施した縦断調査の結果と併せて分析し、結果について学会発表を経て出版化するよていである。第1回縦断調査の子どもの「コンピテンス」第2回の「レジリエンス」に加えて、第3回の「リーダーシップ」の指標を中心に検証したものである。 (2)教育課程グループも、同様に呉市、呉中央学園の事例について数年間の調査研究を行った研究成果の内容を同一の出版等で公表する予定である。 (3)地域事例研究グループ、(4)国際比較研究グループについては、いくつかの研究内容を精査して、小中一貫校の制度的課題について明らかになった課題について同様に出版等で公表していく予定である。
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Research Products
(4 results)