2019 Fiscal Year Annual Research Report
東北の人材育成ネットワークを活用したESD.・SDGs地域学びあいモデルの創造
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18H01006
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
見上 一幸 宮城教育大学, その他部局等, 名誉教授 (90091777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 剛 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10431610)
市瀬 智紀 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 教授 (30282148)
鈴木 克徳 成蹊大学, アジア太平洋研究センター, 研究員 (30467120)
佐々木 達 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (40614186)
小金澤 孝昭 宮城教育大学, 教育学部, 名誉教授 (70153517)
及川 幸彦 東京大学, 海洋アライアンス, 主幹研究員 (90764283)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人材育成ネットワーク / ESD / SDGs / 学校づくり / 地域づくり / ユネスコ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①ESD/SDGsの授業カリキュラムの開発と②学校と地域のESD/SDGsに関する連携事業の事例収集。③ESD/SDGsの地域レベルでの学習モデル(地域ネットワークを活用した地域づくりのテキスト作り)の3つの目標を掲げている。 初年度は、①協力校のネットワークづくりと授業実践の評価検討、②学校と地域の連携実践の事例収集、③モデル地域の選定と実践事例の整理と評価であった。2年目の本年度は、①については、初年度のネットワークづくりの下度、各協力校の情報交流並びに授業実践の報告を行った。②は、昨年度の高校と他地域のESD拠点との連携や、身近な地域での実践(平泉、大崎、只見、仙台)事例を収集した。③は、初年度選定した4つのモデル地域の授業実践カリキュラムと地域づくりカリキュラムを作成し、報告書を作成した。 ①の学校の授業実践のカリキュラム開発では、4回の研究会(東北北海道ユネスコスクール大会や日本ESD学会と共催)を行った。小・中学校では、気仙沼市、平泉町、只見町、大仙市の各教育委員会、宮教大附属小等が参加し、高校では、八戸北高、多賀城高校、仙台三高、富谷高校、安達高校、東北学院中高などが授業実践を報告し、討論資料をまとめた。特に面瀬小学校や附属小では、ドローンを使った教材開発を行った。 ②の学校と地域との連携では、東北学院高校の神戸RCEとの連携や、只見町の小学校と仙台の復興地域との交流、大崎の世界農業遺産地域の副読本作成等の実績があった。 ③の地域づくりのカリキュラム地域では、平泉町、気仙沼市、大崎市、只見町での学校の授業実践カリキュラムとそれと連動した地域づくりのカリキュラム作りを行い、2回の発表会(1回は日本ESD学会と共催で行い、全国からの参加者に発信した)を行い、討論集をまとめた。また平泉町の学芸会でのESD実践は、DVDにまとめ、発表会参加者に発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①の授業実践では、4つの教育委員会のネットワークで約40校の協力校と単独校では、約15の小中高校の協力校のネットワークができており、様々な実践が取りくまれている。科研費で購入したドローンの活用(報告書に実践を紹介)や学芸会でのESD実践についての交流などを行った。 ②の学校と地域との連携では、東北学院高校が本年度も神戸市での修学旅行で地域のNPOと連携した実践を行った。大崎市では、世界農業遺産の副読本を作成したり、只見町では、小学生の米作りと地域の米焼酎造りとの連携など特色ある実践が行われた。 ③の地域ネットワークを活用した授業カリキュラムと地域づくりカリキュラムについては、2回の報告会を経て、カリキュラムの報告書作りを行った。平泉町では、世界文化遺産の『平泉学』を活用した学校教育と社会教育・地域教育との連携による地域づくり。気仙沼市では、小中高校の持続可能な人材育成カリキュラムと円卓方式による教育実践と地域実践の交流による地域づくり、大崎市の世界農業遺産を活用した地域資源の情報発信、持続可能な農業の付加価値化、持続可能な地域の人材育成を柱にした地域づくり、只見町のユネスコエコパークを活用した、地域の自然環境と伝統文化と地域産業の情報発信と只見愛を担う地域内外の人材育成による地域づくりが提案された。 また次年度の地域づくりの候補地域でも、実践を積み重ねている。
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Strategy for Future Research Activity |
①の授業実践では、2年間で行ってきた授業実践の成果を、小学校、中学校、高等学校に区分して、様々な授業実践紹介集を作成する。そのための授業実践報告を、オンラインシステムで6月以降毎月のペースで開催していく。また、今年からの始まった小学校でのSDGsの記載された新しい教科書での授業実践の成果も収集していきたい。 ②学校との地域連携についても3年間の成果を取りまとめる作業を行っていく。2年間の研究活動の中で、地域内の連携、他市町村との連携、都道府県を超える連携、国を超える連携と様々な連携実践が確認された。これらの整理と評価を進める。 ③地域ネットワークを活用した地域づくりでは、地域の教育実践と学力向上の実践モデルの大仙市や都市の環境保全ネットワークを活用した地域づくりの実践モデルになる仙台市での取り組みを整理する方向で準備をしている。また、本年度の4地域の実践についてもその発展の状況を把握する。
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