2018 Fiscal Year Annual Research Report
黎明期を迎える幼児教育でのタブレット端末活用に関する研究
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18H01064
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
堀田 博史 園田学園女子大学, 人間健康学部, 教授 (60300349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 洋一 お茶の水女子大学, 名誉教授 (10143463)
田爪 宏二 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20310865)
駒谷 真美 実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (20413122)
森田 健宏 関西外国語大学, 英語キャリア学部, 教授 (30309017)
佐藤 朝美 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 准教授 (70568724)
松山 由美子 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90322619)
中村 恵 畿央大学, 教育学部, 准教授 (90516452)
佐藤 鮎美 島根大学, 学術研究院人間科学系, 講師 (90638181)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 幼児教育 / タブレット端末 / 非認知的能力 / カリキュラム / 保育者養成課程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,タブレット端末が保育における幼児の直接体験や創造的な活動を強化する活用法を収集し,成功事例の共通点を明らかにすることで,保育の質向上に繋げることを第一の目的としている。そこで,2018年度は以下を調査,開発した。 <調査1>では,Webサイトに保育でのタブレット端末活用を公開している幼稚園を調査するとともに,全国の幼稚園を無作為に抽出し,郵送によりタブレット端末活用状況を聞き取った。さらに,タブレット端末活用園を訪問調査し,その活用状況を収集した。<開発1>では,保護者による質問紙調査等で,求められる情報リテラシー項目を収集するとともに,家庭でのメディア活用に関わる先行研究のレビューを行った。<開発2>では,園内限定のネットワークを構築し,タブレット端末で撮影したデータを蓄積・共有できるシステムの設計を行った。2019年度に実際に園で環境を構築・試行する。また,AI搭載ロボットなどを活用して,幼児の呟きなどの内容を蓄積できるシステムを設計した。実際に2園に協力を得て,AI搭載ロボットを設置し,データを収集,分析を開始している。<開発3>では,発達障害のある幼児が,アプリにどのような興味を持ち,どのような遊び方をするのかを記録する手法を設計し,調査を開始し始めた。<開発4>では,非認知的能力に関する先行文献を調査し,どのような項目で非認知的能力の育みを測定できるか質問紙項目の検討段階にある。<開発5>では,保育者養成課程を設置する大学の教科教育法等のシラバスを収集した。また収集したシラバスを分析し,どのように視聴覚教材等が活用されているか検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は,<調査1>及び<開発5>の郵送によりデータ収集が完了した。特に<調査1>の全国の幼稚園・こども園1,000を無作為に抽出し,郵送によりタブレット端末活用状況を聞き取った結果を,論文としてまとめる段階まで到達している。2019年度には査読論文としたい。 一方,<開発3>では,発達障害のある幼児がアプリにどのような反応をするかの調査を開始した段階で,反応により,研究手法の再検討も考えないといけない。どのようにアプリに興味を持ち,どのような遊び方をするのかをどこまで詳細な記録が取得できるかによる。<開発4>の非認知的能力を測定する質問紙項目では,いくつかの先行文献で実施されている調査をレビューし,タブレット端末活用との妥当性,親和性についてもさらに検討する必要性が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,調査1,開発1~5を並行して進めていく。 (1)調査1から開発3の内容を網羅した,幼児教育におけるタブレット端末活用ハンドブックを作成する。 (2)<調査1>タブレット端末協力園において保育にタブレット端末を一定期間設置し,保育の質向上に繋がる好事例の保育方法を収集する。<開発1>保護者に求められる情報リテラシー項目を網羅したワークショップをデザインし,開催する。<開発2>協力園での幼児のAIロボットとの関わり方の研究についての試行と評価を行う。また,協力園での園内ネットワークにおけるデータ蓄積・共有においても同様に試行と評価を行う。<開発3>発達障害のある幼児のタブレット端末(アプリ)活用での効果と留意点を観察により抽出する。<開発4>非認知的能力育成に関わる質問紙項目を作成し,調査を実施する。<開発5>保育者養成課程での「教科教育法」や「教育方法・技術」での視聴覚機器活用調査結果を分析する。また,視聴覚機器を活用したカリキュラム内容の提案を行う。
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Remarks |
調査1じ実施した,全国の幼稚園・こども園1,000園を対象にした質問紙調査結果(速報)を整理して公開している。
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Research Products
(3 results)