2020 Fiscal Year Annual Research Report
Geometry of partial differential equations and inverse problems
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18H01126
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂口 茂 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50215620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福泉 麗佳 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (00374182)
磯部 健志 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10262255)
川上 竜樹 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (20546147)
船野 敬 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (40614144)
池畠 優 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (90202910)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 幾何学 / 逆問題 / 複合媒質 / ヘルムホルツ方程式 / ディラック・調和写像 / 熱方程式 / ノイマン固有値 / 非線形シュレディンガー方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は偏微分方程式で記述される問題の解の幾何学的性質の探求を主眼に, 偏微分方程式を介在として幾何学と逆問題を有機的に結びつけより一層発展させることにある。 代表者坂口の主な成果は2つあり, 一つは3次元空間内の伝導率の相異なる2種の複合媒質からなる一様電場への影響の少ない近似中性導体の存在証明であり, もう一つは超平面を界面とする2種の密度の相異なる複合媒質においてそれぞれの媒質に含まれる体積を指定した物体の等周問題の解明である。磯部はディラック・調和写像のモース・ボットホモロジーの構成・計算および球面上のスピン山辺方程式の平均曲率関数と球面の計量を摂動した際の変分構造の解明を行った。川上は半空間における指数型非線形境界条件を有する熱方程式の可解性と漸近挙動の研究,単位球の外部領域における動的境界条件を有する拡散方程式の拡散極限に関する考察および分数冪拡散方程式の高次漸近展開理論の改良を行った。船野はユークリッド空間内の二つの包含関係を持つ凸領域上のラプラス作用素のノイマン固有値の定数倍を除いた領域単調性を示した。池畠はヘルムホルツ方程式に対する逆源泉問題を3次元空間において考察し幾何学的特異性をもった源泉の情報を囲い込み法によって抽出する公式を確立した。福泉は減衰ランジュバン方程式の超相対論的極限と非相対論的極限の厳密証明および現象論的に分散マネージメントのモデルとして使用されている分散周期係数を持つ非線形シュレディンガー方程式がマクスウェル方程式からは導出されない例を与え, さらにLoheの非線形シュレディンガー方程式を用いた量子同期モデルにおいて同期現象に対するノイズの影響を研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に関して相応の進展があった。特に, 3次元空間内の複合媒質からなる近似中性導体の存在証明, 超平面を界面とする2種の複合媒質に関する新しい等周問題の解明, ディラック・調和写像のモース・ボットホモロジーの構成, ラプラス作用素のノイマン固有値の定数倍を除いた領域単調性,ヘルムホルツ方程式に対する逆源泉問題における幾何学的特異性をもった源泉の情報抽出公式等は本研究の主題である偏微分方程式を介在とした幾何学と逆問題の新たな結びつきを示すものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もさらに, 普段の国内の研究分担者との研究連絡及び国内外の研究協力者との討論・情報交換を様々な機会を通して活発に行い, 偏微分方程式の解の挙動と 領域の幾何学的情報との関係の解明に努める。
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Research Products
(27 results)