2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Large X-ray microcalorimeter array to study concentration and circulation of intergalactic medium
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18H01260
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
山崎 典子 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (20254146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 文紀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (10357866)
山田 真也 首都大学東京, 理学研究科, 助教 (40612073)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 銀河間物質 / X線天文学 / 極低温検出器 / 超伝導回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
銀河と銀河間空間の相互作用、銀河間物質の銀河への集積と循環の歴史を探るために、理論計算に基づく研究と、X線での高エネルギー分解能多画素読み出しを可能とする検出器の開発研究を平行してすすめている。理論的研究においては、公開されている大規模宇宙論シミュレーションデータを解析し、それにX線放射モデルを仮定して、観測上どのように見えるか、またX線以外の情報と結びつけることにより、どのような物理状態を知ることができるか、という擬似観測を行い、実際の観測における戦略、必要な感度、視野、エネルギー分解能、などの検討を行なっている。 検出器の開発においては、上記の理論研究を参考にして、高エネルギー分解能、空間分解能で、感度を高める目標を定めつつ、GHz多重化読み出し回路となる超伝導共振回路の設計、製作を行なっている。2019年度はX線素子と共振回路の結合定数の最適化による、ノイズの低減を試みて、8チャネル、16チャネルの回路を設計・製作し、基礎的な評価を行い、ほぼ要求通りの共振周波数、共振深さ、結合定数での製作ができていることを確認した。また低温HEMTアンプのノイズ測定、磁気シールドの製作、極低温配線と室温高周波回路の構築、復調回路の検討など読み出し回路の構築を始めている。昨年度は、冷却試験装置のトラブルにより、超伝導共振回路とマイクロカロリメータの結合試験に至らなかったが、マイクロ波源の導入等測定再開への準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
宇宙論シミュレーションデータによる擬似観測研究における、大量のシミュレーションデータの保存、処理方法を構築した。またX線検出器のGHz読み出し手法の開発的研究においては共振回路の設計、製作などは予定通りに進捗し、研究年度1年目における立ち上げが順調に推移したものと考えている。冷却試験装置の不具合は予定外ではあったが、別の装置への移動準備などを進めた結果、2019年度前半に実験再開の見込みがたっている。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションを用いた擬似観測研究においては、複数の研究者との議論を行い、段階的にでも論文として発表をおこなっていく。また、高エネルギー分解能X線検出素子と、超伝導共振回路の結合試験においては、測定環境の構築を進め、今年度前半にも測定を開始する。
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Research Products
(5 results)