2018 Fiscal Year Annual Research Report
海底電磁場データを利用した西之島の火山活動の解明と噴火予測
Project/Area Number |
18H01319
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
多田 訓子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 技術研究員 (00509713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 聖至 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70371721)
市原 寛 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (90553074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 西之島 / 海底電磁気観測 / OBEM / VTM / 空中磁気探査 / ドローン |
Outline of Annual Research Achievements |
西之島は2013年11月に活動を再開した小笠原弧の火山島で、太平洋プレートの沈み込みによる島弧火山活動・大陸地殻の形成過程を理解する上で貴重なフィールドである。本研究では、西之島とその周辺の海底下の電気伝導度構造を求めることによって、西之島火山の内部構造を調べるとともに、磁場・電場・傾斜の時間変動から、西之島火山の活動の実体に迫る。そのために、我々は海底に海底電位磁力計(OBEM)を設置し、データを取得してきた。2018年度は、5-6月と9月に気象庁「啓風丸」による2回の航海を実施した。5-6月の航海でOBEMを5台設置し、9月の航海でこれら5台を回収および、新規の6台の設置を行った。 また、9月の航海では、ポタシウム磁力計を搭載したドローンを「啓風丸」から西之島上空に飛行させ、西之島の空中磁気探査を行った。ドローンを使用した空中磁気探査は、陸上の火山や資源に対して既に実施されているが、海洋島を対象として用いられたのは今回が、少なくとも日本初である。今回は、磁力計を搭載した状態でドローンを飛ばすことができるか、また、飛行できたとしても解析可能なデータを得ることができるかを試験することが主目的であった。今回の飛行で、西之島上空でもドローンで有用な全磁力データを得ることができると分かったため、2019年度は本格的な空中磁気探査を実施する予定である。 2018年12月に西之島電磁気観測第1回報告会を開催し、今年度実施した観測および来年度の計画について情報交換と議論を行った。 2019年6月の気象庁「啓風丸」による航海で、OBEM2台とベクトル津波計(VTM)3台を西之島周辺の海底に設置した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年5月と9月の2回、海底電位磁力計(OBEM)の設置回収航海を実施した。5月の航海では西之島付近の海底にOBEMを5台設置した。9月の航海では5月に設置した5台のOBEMを回収し、新規に6台のOBEMを設置した。9月の航海中にベクトル津波計(VTM)も設置する予定だったが、航海日程が急遽変更となり、2019年6月に延期して設置した。それに伴い、VTMを回収してデータを取得する日程も後ろ倒しになった。 一方、9月の航海では、ドローンを使って西之島の空中磁場探査を実施した。海洋島の磁場探査をドローンを使って行うのは、少なくとも日本では初めての試みであった。今回は、海洋島でも解析可能なレベルの磁場データを取得することができるかの検討も兼ねていた。
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Strategy for Future Research Activity |
西之島全体の全磁力分布を測定するために、2019年度の航海で、ドローンを使った本格的な空中磁場探査を実施する予定である。また、2018年度に設置したOBEMの回収を行う。 観測によって得られたデータなどの情報を共有するために、年に1回程度、西之島電磁気観測報告会を開催する。
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Research Products
(2 results)