2020 Fiscal Year Annual Research Report
海底電磁場データを利用した西之島の火山活動の解明と噴火予測
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18H01319
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
多田 訓子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 研究員 (00509713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 聖至 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70371721)
市原 寛 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (90553074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 西之島 / 海底電位磁力計(OBEM) / 空中磁気探査 / ドローン / 磁化構造 / 漂着 |
Outline of Annual Research Achievements |
西之島は2013年11月に活動を再開した小笠原孤の火山島であり、現在も活動が続いていることから、海域火山を研究する上で貴重なフィールドである。本研究の目的の一つは、西之島の地下の電気伝導度構造を求めることによって、西之島のマグマだまりの位置や大きさを解明することである。そのために必要な観測データを取得するために、これまで、海底電位磁力計(OBEM)を海底に設置してきた。 2020年12月と2021年1月の2回の航海で、海底に設置していたOBEMの自己浮上による回収と、無人ロボットを使用した回収を試みた。その結果、自己浮上によって2台回収することができたが、どちらも海底設置中に海底で数km移動していたことが分かった。無人ロボットで設置した海底付近でOBEMの捜索を行ったが、発見には至らなかった。その後、2021年2月に、西表島に1台のOBEMが漂着したため、現地に赴いてデータと機器を回収することができた。 一方で、2019年に実施したドローンによる空中磁気探査のデータを解析し、西之島の地下約1kmまでの三次元磁化構造を求めた。2019年の時点では、西之島の表層から地下1kmまでに、高磁化の領域が2箇所存在していたことが分かった。この結果を査読付き国際誌に投稿するように準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
西之島に設置していたOBEMを4台回収することができなかったが、1台は漂流し、西表島でデータと共に回収することができた。西之島から西表島までOBEMが漂着した事実を元に、他分野の研究者とも協力して、新たな研究内容を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
回収したOBEMのデータの解析を進め、西之島の三次元電気伝導度構造を推定する。今後の航海で空中磁気探査を行い、2019年12月から始まった大規模噴火が西之島の地下にどのような影響を及ぼしたかを、データから議論する。
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Research Products
(5 results)