2019 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化Hybridナノ堆積層とハニカム多孔体の連成による新規高効率沸騰の物理
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18H01380
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 昌司 九州大学, 工学研究院, 教授 (10377088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 厚史 九州大学, 工学研究院, 教授 (10243924)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 沸騰 / 相変化 / 限界熱流束 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子機器の高発熱密度化、原子炉事故時の緊急冷却などに対応して、10 MW/m2 級の超高熱流束除熱を受動的に実現する冷却技術が切望されている。沸騰冷却の限界は、Critical Heat Fluxと呼ばれ、これを超えて熱負荷を増やすと伝熱面温度が急上昇し、熱機器は破損する。その値は裸面の場合には約1 MW/m2で、目標値の10 MW/m2に遠く及ばない。一方、蒸発冷却の理論限界が220 MW/m2(現状の100倍以上)であることを考慮すると、大幅なCHF向上の余地は十分にある。従来の冷却性能を凌駕し、受動的な手法により10 MW/m2級の冷却を達成するには、ミクロからマクロスケールにわたる気液の流れを最適化することが不可欠で、そのためには現象の解明と新しい制御手法の確立が要求されている。以上の背景下、電解析出法による高性能な多孔質体の作製を目指し、硫酸銅めっき浴に電流を流す電解析出装置を設計・製作し、溶液濃度、電流密度、印可時間などを変化させ金属多孔質体が作製し、限界熱流束に相関が高い吸水力の高い多孔質体を作製できる条件を明らかにした。沸騰実験の結果、裸面の場合に比較して最大で2.5倍のCHF向上効果を得ることができた。WiとCHFの関係が線形の関係にあることも確認でき、今後CHF向上に対する大きな指標を得た。今年度得られた結果で興味深いのは、一様な多孔質層において上述したように裸面の場合に比して2倍以上のCHF向上効果が得られていることである。したがって、ハニカム状にコーティングすることで、大幅なCHF向上が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、高性能な多孔質体を自作し、裸面の場合の2倍以上の限界熱流束を得ることができたため
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Strategy for Future Research Activity |
電解析出法を用いて、ハニカム状の多孔質体を3Dプリンタと組み合わせることで作製し、さらなる限界熱流束向上をめざす
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Research Products
(4 results)