2019 Fiscal Year Annual Research Report
3次元Power supply on chip用プラットフォームの構築
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18H01430
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 聡 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10577282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雅考 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (20357776)
新海 聡子 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 准教授 (90374785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 集積化電源 / ウエハー接合技術 / GaN / h-BN / グラファイト薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度開発したGaN/Si(111)基板とSi(100)基板の室温での接合技術とSi(111)基板の除去技術をもとに、GaNバッファ層とGaN層のエッチング条件の検討を進めた。GaN/ Si(111)基板のSi(111)基板を研磨・研削により薄層化した後、最終的にSi(111)基板をドライエッチングにより除去するとGaNバッファ層表面に堆積物が形成され、エッチングがGaNバッファ層表面で自動的に止まることがわかった。堆積物は絶縁膜であった。この堆積物の除去方法を検討した結果、イオンミーリングにより除去できることを明らかにした。その後GaNバッファ層とGaN層を除去することができ、GaN層及びGaNバッファ層にTSV(Through Semiconductor Via)を形成できる見通しを得た。 排熱層としてのグラファイト薄膜をシリコン基板と中間層や接着剤を用いることなく積層して形成した積層体の形成技術を発展させ、シリコン基板/グラファイト薄膜/シリコン基板、およびシリコン基板/グラファイト薄膜/酸化膜付きシリコン基板のサンドイッチ構造の形成法を開発し、実際のサンドイッチ構造のデモンストレーションに成功した。グラファイト薄膜とシリコン基板との直接接合界面の構造の詳細を断面電子顕微鏡観察等により明らかとした。この積層体はシリコン基板と比較して高い熱伝導特性を有しているが、熱伝導率の詳細の測定を行うと同時に、実際に熱源を装備して、温度上昇の抑制効果の検証を行った。 hexagonal-BNとSilicon on Insulator(SOI)構造の埋め込み絶縁膜、グラファイト薄膜をThermal Interface Materialとして用い、TSVを形成することにより従来のSOI構造(発熱部:200℃)に比べて120℃程度低温化できることをシミュレーションにより明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)GaN及びGaNバッファ層のエッチング条件を明らかにし、TSV形成に見通しを得たこと、(2)シリコン基板/グラファイト薄膜/シリコン基板、およびシリコン基板/グラファイト薄膜/酸化膜付きシリコン基板のサンドイッチ構造の形成法を開発したこと、(3)h-BN、グラファイト薄膜とTSVの組み合わせによる排熱構造が有効なこと、等により順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
GaN/Si(111)基板とSi(100)基板を接合した後Si(111)をドレイエッチングで除去するとGaNバッファ層表面に堆積物が形成されエッチングが停止しSi(111)基板が完全に除去できるものの、堆積物のエッチングの制御性が無く、GaNバッファ層とGaN層が一気にエッチングされてします。TSVの形成の際には問題がないがGaNバッファ層のみを辞去することができないためSi基板のエッチング条件と堆積物のエッチング条件について検討する。 直接接合によりグラファイト薄膜をシリコン基板でサンドイッチした構造を用いて、実際にデバイスを形成する際に必要となる切断や研磨等の加工要素技術の検討を行う。これらと並行して、実回路を形成したシリコン基板をグラファイト薄膜と直接接合する工程を検討し、課題を抽出するとともに解決の方針をたてる。以上をもとに、実回路を形成したシリコン基板を用いてグラファイト薄膜との直接接合の形成を試みる。さらに、接合した基板を用いて実際に熱負荷を印可し、放熱特性の検証を行う。また本直接合技術をシリコン以外の半導体基板とグラファイト薄膜に拡張することを検討する。 h-BNに関しては、h-BNの加工条件を明らかにするとともに電気的特性を明らかにし、3DパワーSupply on Chipに適した構造を明らかにする。 グラファイト薄膜に関してはグラファイト薄膜に適した排熱構造を明らかにするとともにh-BNとグラファイト薄膜の組み合わせた構造を用いてより排熱効果の高い構造を提案する。
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