2019 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸イオン汚染地下水の浄化に真に貢献する亜鉛添加ニッケル触媒の開発
Project/Area Number |
18H01780
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神谷 裕一 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (10374638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大友 亮一 北海道大学, 地球環境科学研究院, 助教 (10776462)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 担持ニッケル触媒 / 水中硝酸イオン還元 / 担体効果 / 助触媒効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
担持Ni触媒への助触媒の添加に先立ち、担持Ni触媒の担体効果を調べた。CeO2担持Ni触媒は、反応開始直後は活性を示したが、反応時間の経過とともに活性は徐々に低下し5時間以降は完全に失活した。検討した触媒の中でSiO2担持Ni触媒が最も高い初期活性を示したが、CeO2担持Ni触媒と同様に活性が徐々に低下し、100%転化率に到達しなかった。これらに対してAl2O3担持Ni触媒とZrO2担持Ni触媒は反応の途中で失活することなく、ともに反応開始から10時間で100%転化率に到達した。Al2O3担持Ni触媒と比べてZrO2担持Ni触媒の方が、(1)望ましく無い生成物のNH3への選択率が低く、かつ(2) 触媒反応の再現性が高い(おそらく、空気がNi粒子表面を酸化することによる触媒失活が起こりにくいため)ことから、ZrO2担持Ni触媒を選択し、引き続き触媒性能のさらなる向上を検討した。 水酸化ジルコニウムの焼成温度を変えてアモルファル、単斜晶、正方晶を調製し、担体の結晶構造が担持Ni触媒の触媒性能に与える影響を調べたが、担体の結晶構造は触媒性能にほとんど影響しなかった。 続いてZrO2担持Ni触媒への助触媒の添加を検討した。助触媒の添加量はNiに対して1 wt%とした。CuおよびSnを添加すると触媒活性が大きく低下した。一方、FeおよびCoを添加すると、触媒活性が大きく向上した。Feの添加はNH3選択率を向上させたのに対して、Coの添加はNH3の生成も抑制した。Znの添加は活性には影響を与えなかったが、NH3の生成は未添加の触媒と比べて抑制された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に計画していたAl2O3担持Ni触媒へのZn助触媒の添加効果に加えて、より添加効果に高いCo助触媒を見出したことは、本研究を大きく発展させる可能性がある。しかし、Zn助触媒の添加効果については、当初の予定よりも少し遅れているため、研究全体として「おおむね順調に進展している」と自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画である担持Ni触媒へのZn助触媒の添加効果に加えて、Co助触媒の添加効果も検討する。 助触媒の添加量、添加方法・条件を系統的に調べ、最も添加効果の高い添加量と方法・条件を早急に確定させる。その後、実際の地下水浄化に向けて、地下水に含まれる共存物質が触媒性能に与える影響を調べる。
|
Research Products
(2 results)