2019 Fiscal Year Annual Research Report
オペランド時空間イメージングXAFSによる固体触媒の可視化と構造反応
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18H01940
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
唯 美津木 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (70396810)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イメージング / XAFS / オペランド計測 / 酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
触媒粒子などの固体機能性材料中のモルフォロジー、元素の分布、化学状態、局所構造等の構造パラメータの空間分布や時間発展を明らかにするためのオペランドXAFSイメージング計測として、結像型顕微XAFS計測、オペランドXAFSイメージング、CT-XAFSイメージングを立ち上げ、酸化物触媒材料中の構造パラメータの空間分布を可視化した。イメージングXAFS計測から得られる膨大なXAFSデータ群のフィッティング解析、得られる各構造パラメータの二次元像、三次元像の構築方法を検討した。また、イメージングXAFSデータの解析から導かれる構造パラメータのデータセットを用いたデータマイニングを取り入れ、可視化構造パラメータ間の相関性や反応性との相関解析を行う方法を検討した。 2018年度に調製し、オペランドXAFS計測、結像型顕微XAFSイメージング計測を行ってきた酸化鉄樹状結晶、少量のCrを内部にドープした酸化鉄樹状結晶における結晶内部のFe酸化状態、酸化鉄結晶相の分布を解析し、昇温酸化過程に伴うFe3O4の酸化、γ-Fe2O3相からのα-Fe2O3相への酸化鉄の相転移率を算出した。酸化鉄結晶内にドープされたCrは、スピネル構造のc軸方向の歪みを引き起こし、Crのドープによってγ相からα相への相転移温度が増加し、γ相の安定性が増加することを明らかにした。また、これらの相転移過程における結晶粒子内の各相の空間分布をイメージングし、その解析から樹状結晶粒子内の結晶相の変化を初めて可視化した。 また、複合酸化物触媒粒子のレドックス過程における金属種の酸化還元挙動をオペランドXAFSにより捉えることで、触媒活性と相関した金属種の決定と反応過程における挙動を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナのため、2か月ほど研究室での実験が実施できない時期があったが、文献調査やイメージングXAFSデータの解析を進める形で、研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
イメージングXAFSデータの解析方法、データマイニングを取り入れた可視化パラメータ間の相関解析を進め、複合酸化物材料のレドックス特性や構造-機能相関解析を推進する。
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