2020 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性分子探針による界面特性の単一分子スケール計測法の開発
Project/Area Number |
18H02003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西野 智昭 東京工業大学, 理学院, 准教授 (80372415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎木 弘 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70335769)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 単分子 / 温度計測 / 走査型トンネル顕微鏡 / 分子探針 / ナノ科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,ナノ科学・テクノロジーへの興味の高まりとともに,自己組織化に基づくボトムアップ技術や微細加工技術の著しい進展によって,優れた機能を有するナノスケールの微小構造体が盛んに開発されている.これに伴い,微小構造体の化学的特性,物性の計測を可能とする,高い空間分解能を有する分析法が強く求められている.しかし,従来の分析手法ではそのような局所的な計測ができないため,新たな分析法の開発が喫緊の課題となっている.そこで本研究では,単一分子スケール,すなわちサブnmオーダーのごく微小領域において,様々な界面の化学的特性,物性を計測できる革新的手法を開発することを目的とした. 本事業ではこれまで熱応答性分子探針を開発し,さらに単一分子スケールにおける温度計測が可能であることを実証した.分子探針は,チオール基を導入したポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)をAu探針に修飾することにより作製した.試料Au表面を種々の温度に変化させながら分子探針の伝導度を計測したところ,温度に依存して変化し,温度計測が可能であることを見出した.この伝導度変化は,探針分子として用いた熱応答性高分子の構造変化に起因することと結論づけた. 当該年度では,固体表面における局所的な反応性を評価する手法を開発した.一本鎖DNAを金STM探針に修飾しDNA探針として用いた.これに相補的なDNAをAu(111)基板に固定し,探針と基板間におけるDNA二重鎖形成を評価した.二重鎖形成時,および破断時には各状態に特徴的な電気伝導度が計測され,両状態を識別できた.伝導度に基づきDNA単一分子の二重鎖形成,破断反応を反応速度論を用いて解析できることが分かった.固体表面における二重鎖形成の律速過程を明らかにし,DNA被覆率を制御することによって二重鎖形成効率を向上できることを示した.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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