2020 Fiscal Year Annual Research Report
アズキの栽培北限への適応形質に関する分子機構の解明
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18H02171
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
加藤 清明 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60271748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 優貴 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 農業研究本部 十勝農業試験場, 研究主任 (10502403)
森 正彦 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (60645711)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 感光性 / 感温性 / 開花期 / 開花着莢期耐冷性 / アズキ / 遺伝子単離 / QTL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、短日植物で低温感受性のアズキの北海道への適応形質に関わる重要遺伝子を特定し、育種への活用を促進することである。北海道で栽培されているアズキ品種の長日非感受性には、単一の劣性遺伝子flowering date1(fd1)が大きく関わることを明らかにした。長日非感受性の「しゅまり」(fd1)と長日感受性の在来系統(FD1)間の交雑後代を用いたマップベースクローニング法によって、原因遺伝子を17.1kb内に特定した。当該ゲノム配列上には、推定される機能が転写因子の1遺伝子がコードされていた。当該遺伝子のエキソンには両親間に塩基配列の変異は無かったが、プロモーター領域には100以上のSNPとInDelが存在した。次に、遺伝子発現の日長反応性を特徴付けた。この遺伝子の発現量は、在来系統では8時間日長(短日)条件と比較して、16時間日長(長日)条件では3倍以上に亢進していた。また、「しゅまり」では、日長条件に関わらず、低く抑えられていた。これらの結果から、開花の抑制因子として作用するFD1が、長日で発現誘導されることで、長日感受性を発現すること、一方で、プロモーター配列の何らかの変異が、長日による発現誘導を消失させたことで、長日非感受性を発現するものと結論された。また、他に開花期の日長感受性に関わる遺伝子4種、感温性に関わる遺伝子1種、さらに日長と温度とは独立に開花の早晩性を決定する遺伝子2種の計7遺伝子をゲノムマッピングした。次に、北海道の品種では、まだ十分となっていない開花・着莢期耐冷性(以下、耐冷性)の遺伝制御機構の解明に取り組んだ。本研究の開始時には、国内外の遺伝資源3千点以上の耐冷性をスクリーニングによって、最も耐冷性の強い在来系統が見出されていた。本課題では、在来系統に由来する耐冷性遺伝子3種と「しゅまり」に由来する耐冷性遺伝子2種をマッピングした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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