2019 Fiscal Year Annual Research Report
指定生乳生産者団体制度の改革が生乳市場構造と酪農経営に与える影響に関する計量研究
Project/Area Number |
18H02285
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 幸嗣 九州大学, 農学研究院, 教授 (20274524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宣弘 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80304765)
清水池 義治 北海道大学, 農学研究院, 講師 (30545215)
高橋 昂也 九州大学, 農学研究院, 助教 (70757955)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 指定団体制度改革 / 市場競争構造 / 市場支配力 / 酪農マルキン / 計量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、指定生乳生産者団体(以下、指定団体)制度の改革が生乳市場構造と酪農経営にどのような影響を与えるか、また、その影響が負でかつ大きいようであれば、酪農政策を今後どのように設計すればよいか、計量的に分析することである。本研究では、指定団体制度の改革がもたらすであろう生乳市場の水平的・垂直的競争構造の変化とその影響を計量的に分析するために、指定団体、乳業メーカー及び小売店のすべての流通主体が水平的にも垂直的にも市場支配力(拮抗力)を持つ、生乳・牛乳乳製品市場の計量モデルを開発する。また、指定団体制度改革の問題の改善策として現在注目されている酪農マルキンについても、その政策効果を計量的に分析する。本年度の主な研究成果は、次のとおりである。 1.指定団体制度について、その目的及び変遷等の調査分析を行い、今般の制度改革の問題点を整理した。 2.酪農経営、指定団体、乳業メーカー及び小売店等に対し聞き取り調査を行い、わが国及びわが国に先んじて生乳流通の規制緩和を行った英国における生乳・牛乳乳製品の価格交渉の実態を明らかにした。 3.指定団体、乳業メーカー及び小売店のすべての流通主体が水平的にも垂直的にも市場支配力(拮抗力)を持つ、生乳・牛乳乳製品市場の計量モデルを開発した。 4.農業地域別に牛乳乳製品の需要構造及び生乳の生産・費用構造について計量経済学的に分析し、生乳乳製品の需要関数及び生乳の費用関数を地域別に推計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今般の指定団体制度改革の問題点ならびに生乳・牛乳乳製品市場の競争構造、需給調整及び価格交渉の実態を明らかにすることはできた。また、生乳・牛乳乳製品市場の計量モデルを開発し、計量分析に必要な牛乳乳製品の需要関数及び生乳の費用関数を推計することもできた。しかし、生乳・牛乳乳製品市場の計量分析を具体的に行うまでには至らなかった。以上より、本研究はやや遅れていると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、本年度完了することができなかった生乳・牛乳乳製品市場の具体的な計量分析について、次年度のできるだけ早い段階で完了する予定である。次に、交付申請書において次年度予定している研究計画を、着実に遂行する予定である。
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Research Products
(20 results)