2020 Fiscal Year Annual Research Report
Med26による新規転写制御機構と腫瘍性疾患との関わりについての解明
Project/Area Number |
18H02378
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 秀尚 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30423544)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 転写 / RNAポリメラーゼII / メディエーター複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のゲノムワイドな解析により、非常に多くのヒトの遺伝子で、転写開始直後にRNAポリメラーゼII(Pol II)がプロモーター近傍(転写開始点の20~50塩基下流)で一時停止していることが明らかとなった。Pol IIの一時停止は、発現の迅速あるいは同調した誘導が必要な分化制御遺伝子やがん遺伝子を始め、血清応答性遺伝子など、非常に多くのヒト遺伝子においてみられる。このPol IIの一時停止とその解除の機構は、細胞の増殖維持から分化への移行(スイッチ)において重要な役割を果たしていることが考えられる。Pol IIの一時停止が解除されPol IIが新生RNA鎖の合成を再開するためには転写伸長因子の働きが必要である。これまでの研究によって、メディエーター複合体のサブユニットMed26は、2つの異なる転写伸長因子複合体Super elongation complex(SEC)とLittle elongation complex(LEC)を、それぞれ異なる種類の遺伝子領域へとリクルートし、それらの遺伝子の転写伸長を促進することを明らかにした。この時、Med26とLECはsnRNA(small nuclear RNA)遺伝子や複製依存性ヒストン遺伝子などの発現を制御することがわかった。snRNA遺伝子や複製依存性ヒストン遺伝子の転写産物(mRNA)はポリアデニル化(ポリA付加)されない。これらのことから、Med26とSECはmRNAにポリAがある腫瘍関連遺伝子の転写を制御する一方で、Med26とLECはポリAのない複製依存性ヒストン遺伝子やsnRNA遺伝子の転写を制御することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)