2018 Fiscal Year Annual Research Report
シヌクレイノパチーの分子病態解明とオートファジー活性化による発症前治療法の開発
Project/Area Number |
18H02533
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
若林 孝一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50240768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹治 邦和 弘前大学, 医学研究科, 助教 (10271800)
森 文秋 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (60200383)
今 智矢 弘前大学, 医学研究科, 助教 (00809709)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シヌクレイノパチー / オートファジー / モデル動物 / レビー小体病 / 多系統萎縮症 |
Outline of Annual Research Achievements |
シヌクレイノパチー(レビー小体病および多系統萎縮症)ではオートファジーの異常が生じていること、トレハロースは脳内オートファジーを活性化することを報告してきた。これより「細胞内分解システムの活性化はシヌクレイノパチーの有効な治療法となりうる」と考えた。そこで本研究では新たに作成したモデル動物も用い、細胞内分解システム活性化による「発症前治療法」を開発する。具体的には、既にmicroRNA解析により同定している多系統萎縮症の病態関連候補分子をヒト剖検脳を用い解析する。さらに、異常なαシヌクレインが「いつ」「どこで」発現するかを選択できるノックインマウスを用い、統合的解析(病理・生化・行動)を行う。また、オートファジーの可視化や脳透明化の技術も駆使し、細胞内分解システムを活性化させた際の影響を生体・細胞・分子レベルで明らかにする。 本年度は、生後の任意の時期からヒト型αシヌクレインを過剰発現できるノックインマウスを開発し、そのマウスが病理学的、生化学的、行動学的に多系統萎縮症の病態を再現していることを確認した。今後、この多系統萎縮症モデルマウスや市販のレビー小体病モデルマウス(飼育中)を用い、脳内オートファジーの活性化が神経変性の抑制に果たす効果について検証を進める。さらに、オートファジーメディエーターである複数の分子(FOXO1、SESN3、TSC2)は脳幹型レビー小体の構成成分であり、加齢に伴い発現量が変化することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、シヌクレイノパチー(パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症)の病態に複数のオートファジー関連分子が関与していること、自然糖トレハロースが脳内オートファジーを活性化することを報告している。今回、生後の任意の時期からヒト型αシヌクレインを過剰発現できる多系統萎縮症モデルマウスを開発できた。これらのマウスを用い、脳内オートファジーの活性化により異常分子の蓄積を防ぐことができれば、シヌクレイノパチーの治療法開発にも通ずる。以上より、研究計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もシヌクレイノパチーにおける異常蛋白蓄積機構やオートファジー関連分子が病態に果たす役割について研究を進める。さらに、脳内オートファジーの活性化は治療にもつながることから、効果的な脳内オートファジーの活性化手法の開発を進める。
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Research Products
(11 results)