2020 Fiscal Year Annual Research Report
がん転移における免疫チェックポイントの制御とプロスタグランジンEの役割
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18H02571
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮浦 千里 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20138382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 智 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50379088)
稲田 全規 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80401454)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント / がん転移 / プロスタグランジンE / 質量分析イメージング / 骨代謝 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロスタグランジンE(PGE)は炎症を惹起する一方、腫瘍免疫を制御することが示されている。近年、がん免疫療法として免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体)が臨床応用されているが、不応性を示す例も報告されており、有効性を高める方策が求められている。我々は、がんの増殖・転移が宿主細胞由来のPGEにより制御され、PGE受容体サブタイプEP4のシグナル遮断により、腫瘍形成と転移が顕著に抑制されることを示している。免疫チェックポイント阻害とPGEシグナル阻害は作用点が異なると考えられることから、併用療法によって不応性を回避して有効性を高められる可能性がある。 本研究では、免疫チェックポイントにおけるPGEの作用に着目し、抗PD-1抗体とPGEシグナル阻害が、がんの増殖と転移を有効に制御できる可能性とその作用点を明らかとすることを目的とした。がんが骨組織に転移すると、その骨転移巣では、破骨細胞の形成と活性化が亢進して、骨吸収と骨破壊が進行する。この骨吸収への免疫チェックポイント阻害薬の影響を検討したところ、抗PD-1抗体は破骨細胞前駆細胞から成熟破骨細胞への分化を直接的に促さないことを明らかとした。従って、骨組織の細胞へ直接作用することなく腫瘍形成を阻止する可能性が考えられる。がん転移検出について発光検出系を構築した。さらに、質量分析イメージングにより組織内PGEの分布・検出にも成功した。複数のがん増殖・転移系において、PGEシグナル阻害により血管新生と増殖・転移が抑制された。抗PD-1抗体の抗がん作用にEP4アンタゴニストを併用することにより、両因子の単独効果を超える併用効果発揮には併用する阻害薬剤量の最適化が必要である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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