2018 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of multifunctional roles of TRAF5 in pro-inflammatory cytokine receptor signaling
Project/Area Number |
18H02572
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
宗 孝紀 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (60294964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 雅志 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 准教授 (20191033)
石井 直人 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60291267)
川口 甲介 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 助教 (80624866)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 免疫 / 炎症 / サイトカイン / TRAF / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) IL-6-gp130-JAK-STAT シグナル軸のどの部分に TRAF5 が阻害作用を示すか? Protein-fragment complementation assay により、gp130を IL-6―IL-6R 複合体により架橋することで gp130 の二量体化に伴う JAK1―JAK1 の二量体化形成反応をルシフェラーゼ活性として検出する実験系を構築した。この実験系において、TRAF2 や TRAF5 を共発現させたときにシフェラーゼ活性の減弱を検出した。また、gp130 における TRAF 結合領域を欠失させた変異体を用いて本アッセイを施行したところ、シフェラーゼ活性の低下は認められなかった。以上から、TRAF 分子が gp130 に結合することで gp130 の近接が妨げられ、これにより JAK1 の近接も起こりにくくなることが明らかになった。すなわち、TRAF 分子の gp130 への結合が、JAK 分子の近接化(活性化)を阻害し、これによりJAK1によるgp130のリン酸化やそれに引き続いて起こるSTAT3のリン酸化と活性化が抑制される分子機序を明らかにすることができた。 (2) IL-6 以外のファミリーサイトカイン OSM においても TRAF5 の抑制作用が認められるか? TRAF5欠損マウスの鼻腔内に OSM を投与することで誘導される好酸球増多症や繊維化などの炎症病態が野生型マウスに比較して減弱することがわかった。当初 TRAF5 の欠損により OSM 受容体シグナルが増強し、炎症が増悪することを予想していたが、これとは逆の結果になった。したがって、OSM による肺炎症応答の惹起には、未知の機構で TRAF5 が促進的にはたらくことがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載する2項目に関して、それぞれ原著論文として報告した。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1) TRAF5 の gp130 への結合における、他の TRAF ファミリー分子の関与について検討する。 (2) TRAF5 は、CD4+ T 細胞において IL-6 受容体シグナルを抑制するようにはたらくため、IL-6 ファミリーサイトカインである OSM でも同様の機能が推測されたが、実際に肺組織における炎症応答の観点からはこのような機能の存在は確認できなかった。 CD4+ T 細胞には、IL-6 受容体と同じく、IL-27 受容体(gp130とWSX-1から構成される)が発現し、IL-27-gp130 を介するシグナル伝達が TRAF5 の作用により影響を受けることが予想された。予備実験結果から、TRAF5がIL-27受容体シグナルを抑制するという予備知見を得たため、今後、TRAF5 欠損 CD4+ T 細胞を用いて TRAF5 の関与について解析する。 (3) 従来の TNF 受容体型分子の調節に関与する TRAF5 の炎症促進性の機能と、CD4+ T細胞で認められる IL-6 受容体シグナルに対する TRAF5 の抑制機能(抗炎症機能)の両機能が混在することから、これら相反するTRAF5の機能が炎症のコンテクストでどのように発現するかが不明である。今後、TRAF5 欠損マウスを用いて、DSS (デキストラン硫酸ナトリウム) による急性腸炎モデルを用いて、TRAF5 の炎症性機能について解析する。 (4)予備実験結果より、TRAF5が IL-33 受容体シグナルに対し抑制的に機能することが示唆された。今後、TRAF5 欠損 CD4+ T 細胞を用いて、IL-33 受容体に対する TRAF5 の関与機構をサイトカイン産生の観点から解析する。
|
Research Products
(8 results)
-
[Journal Article] GITR cosignal in ILC2s controls allergic lung inflammation2018
Author(s)
Nagashima Hiroyuki、Okuyama Yuko、Fujita Tsuyoshi、Takeda Takeo、Motomura Yasutaka、Moro Kazuyo、Hidaka Takanori、Omori Koki、Sakurai Tsuyoshi、Machiyama Tomoaki、Ndhlovu Lishomwa C.、Riccardi Carlo、So Takanori、Ishii Naoto
-
Journal Title
Journal of Allergy and Clinical Immunology
Volume: 141
Pages: 1939~1943.e8
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-