2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of respiratory virus activating protease TMPRSS2 and its inhibitor compounds
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18H02665
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
竹田 誠 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 部長 (40311401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 典代 国立感染症研究所, 感染病理部, 室長 (30270648)
福原 秀雄 北海道大学, 薬学研究院, 特任助教 (80707191)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | TMPRSS2 / コロナウイルス / 呼吸器ウイルス / プロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは「プロテアーゼ依存性トロピズム」理論に立脚した考えのもとに、ウイルス活性化に関する研究を推進してきた。その結果、ノック アウトマウス技術を用いることで、呼吸器上皮細胞に発現しているセリンプロテアーゼTMPRSS2が、インフルエンザウイルスやSARS-ならびにMERSコロナウイルスの生体内活性化酵素のひとつであることを証明した。本研究では、TMPRSS2の生理機能や細胞内動態の解析、TMPRSS2の阻害化合物のスクリーニングを実施し、最終的に約80化合物に絞り込み、TMPRSS2阻害化合物の呼吸器ウイルス感染阻害効果の検証を実施した。本年はさらに、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の病原性発現 におけるTMPRSS2の役割を解明を目指し、TMPRSS2発現とSARS-CoV-2の増殖との関連を解析した。その結果、残念ながら、強いTMPRSS2阻害活性を持つ新規化合物の同定には至らなかったが、SARS-CoV-2もまた、TMPRSS2によって活性化を受けていることを証明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
残念ながら、強いTMPRSS2阻害活性を持つ新規化合物の同定には至らなかったが、令和元年12月から発生したSARS-CoV-2の理解や対策に役立つ研究へと進展させることができた。すなわち、SARS-CoV-2もまた、TMPRSS2によって活性化を受けていることを証明することができた。そして、われわれが開発したTMPRSS2発現細胞(VeroE6/TMPRSS2)のSARS-CoV-2研究に関する有用性が高く評価され、すでに国内国外の数多くの研究や創薬、ワクチン開発研究に役立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在も、SARS-CoV-2の世界的な流行が続いている。本研究の目的はTMPRSS2による呼吸器ウイルス活性化機構を理解して、TMPRSS2阻害剤などの開発を通じて、呼吸器ウイルスの感染症対策に役立てることである。理論的ペプチド創薬技術を用いて、SARS-CoV-2のTMPRSS2による活性阻害や侵入阻害剤の開発を次に目指す。
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Research Products
(2 results)